1 ページ1
「Aちゃん大変よ!!」
バタバタとAが働くレストランに駆け込むオーナー。目を丸くして立ち止まるAの耳に入ってきたのは、衝撃的な事だった。
「キクちゃんが……!!密偵の疑いで……軍幹部に殺されたって……!!!!」
タラリと汗が滴り落ちた。キクというのは、幼い頃からAを可愛がってくれて、このレストランを紹介してくれた恩人だ。震える足で必死に立って、オーナーに聞く。
「誰に……殺されたんですか？」
「コネシマ様よっ」
全身を憎悪の感情が駆け巡った。二度と聞くことは無いと思っていた名前。息を吐いても落ち着かずに、Aはナイフを手に取り、軍基地へ走り出した。
「侵入者や!!捕らえろ！」
「シッマ、危ない！」
警備員を殺し、基地内に侵入したAは、仇を取るために、コネシマを襲った。丁度訓練中だったのだろう。彼は外で訓練の指導をしていた。視野は狭まり、コネシマしか視界に映らない。
幹部、ゾムの声が訓練場に響く。それに反応して顔を上げると、自分に向かってくる女の姿。コネシマは容易く攻撃を避けて、女を固め技で拘束した。ゾロゾロと幹部たちが集まってくる。
「離して下さい!!」
「誰が離すかいな。侵入者が。ショッピ君、チーノ、コイツ今すぐ牢屋にぶち込め。……いや、拷問室の方がええな」
ニヤッと笑うコネシマに、Aは思わず身震いをする。指示により、拷問室に連れて行かれたAは、四肢を拘束されて白いボロ雑巾のような服に着替えさせられた。
拷問室には、グルッペンと幹部全員が集まった。幹部の暗殺未遂が起きたのだ。それほどまでにAは大きな事件を引き起こした。幹部の1人、トントンがAの髪を掴んで顔を上げさせる。
「どこの国の回しもんや？」
「っはっはっはっは、トントン。コイツは我々国の国民やで」
なぁ？と目をかっぴらいて狙われた本人であるコネシマが聞く。殺意に満ちた表情を隠さずに、Aはコネシマを睨みつける。
「なんで……そんなん知っとるん？」
コネシマは基本的に人に興味を持たない。相棒だと豪語する鬱先生が不思議そうにコネシマに尋ねる。その問いに答えたのは、コネシマでは無く、Aだった。
「そんなんでも、一応私の兄ですから」
「……は？」
間抜けな声が拷問室に響く。それは、1人の声ではなく複数人が意図せず同時に発されたものだった。
「私は……そこにいるクズを身内として殺そうとしただけです」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1002人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通行人G - 感想ではなくすみません！他アプリなのですがプリ小説に同じのをあげていますか?同じのを見つけてしまいまして... (1月24日 2時) (
レス) @page1 id: c45e3cd912 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - クサイ演技やなぁで、俺も乗っかったる…つまりknさんもあれは演技…？めっちゃ気になる！！！！ (2022年1月13日 13時) (レス) @page50 id: b03ee76d2f (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - うぅぅ…sm〜〜(泣)早く真相が知りたい…何かの演技なんでしょう…！？そうと言ってぇ！！(泣)(なんか、お話に影響受けてか、ドラマみたいになった…) (2022年1月13日 0時) (レス) @page50 id: 90d5684779 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - knさん…いや、私はknさんを信じます。でも。。。泣けるよぉ( ；∀；) (2022年1月12日 23時) (レス) @page50 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ライ@Mallow - 嗚呼…泣いちゃうよぉ…。でもknsmさんの事だからどうにかして一番良い方法取るんだろうな…信じてますよぉ……(号泣)(やっぱり貴方様最高) (2022年1月12日 21時) (レス) @page50 id: 74ae029d2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月5日 18時
