酔っ払い採菊さん�� ページ21
条野の方を伺いながら��子と通話するA。すると行き成り視界が反転した。
其処には天井と条野が映っていた。
「───Aさん…」
押し倒したAの唇を親指の撫でた条野はニヤリと笑っていた。
「あぁ…ほんとに可愛いですね
貴女の凡てが愛おしくてたまりません。
鈴を転がした様な清らかな声も…
柔らかく良い匂いのする肌も…」
目を泳がせて困惑するA。すると顔を近付けてきた条野が耳元で囁いた
「キスしても宜しいですか？」
『……。』
Aが無言なのは条野の攻めに照れている訳では無い。先刻から��子との通話が繋がりっぱなしなのだ。其れをめちゃくちゃ気にしていた。
『お…お酒臭い…のは…嫌で､す』
「…今回は諦めましょう」
渋々Aを開放してくれた条野。
ムスッとした様子は宛ら子供だ。
コホンッと咳払いをして電話を続行するAだが携帯を耳に当てた途端,聞こえてきたのは��子の笑い声だった。
❲クククッwww録音済みじゃ,安心せいwww❳
額に手を当てるA。
❲愛されとるの〜(笑)❳
明日,職場で揶揄う気満々の��子の声に苦笑いするA。「遅くにすいませんでした」と挨拶をして電話を切る。
すると幾らか判断力と理性を取り戻した条野が少し…否,かなり頬を赤くしてAの肩を叩いた。
「何もしてませんよね？」
どうやら帰ってきてから今までの記憶が曖昧な条野Aは『覚えてないんですか!?』と叫ぶように云った。
冷静沈着な条野が,酔っ払った所為で一部の記憶を欠落させてしまった事に心底驚いていた。
「え…。私、何かしたんですか…？教えて下さい」
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作者名：御影 | 作成日時：2022年12月2日 13時
