×-dame-（tk×in） (ページ4)

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「いいのいいの。」

無視無視無視無視！！！！

今、俺は目の前の伊野尾君でいっぱいいっぱいです！！

声の主には悪いが、今、伊野尾君よりも優先するもんなんて俺にはない。

今度は、キスをしながら、カチャカチャと。
慣れた手つきで、伊野尾君のベルトを外し始めた。

「ゆうちゃ～ん！！いるんでしょ？？あがるよ！！」

へ！？ゆうちゃん！？あがる！？

下で、玄関の扉が閉まる音。

密着していた伊野尾君の身体を素早く離して見つめあった。

「たか…き？」

上半身、裸のままの二人。
なんなら、ベルトのバックルも外れファスナーも降りている。
下の様子を伺うように耳をすませば、階段をトントンと軽快に登ってくる足音。

ま…まずい！！

咄嗟に伊野尾君に毛布を被せ、下がったままだったファスナーを上げて、
一人、急いで部屋を飛び出した。

ードン！！

俺の体に当たる鈍い音。

「痛っ…ゆ、ゆうちゃん！？！？」

間一髪！！
部屋の中を見られる前に、食い止められた。

「勝手に人んち入んなよ！！」

目の前に現れた、邪魔者に乱暴に言葉を放った。
邪魔者は威嚇するように、俺よりさらに大きな声で怒鳴る。

「学校で、今日行くって言ってたでしょ！！
　しかも、ちゃんと下で声かけたもん！！ってか、女子の前でなんて格好で出てくんのよ！！」

「あ？？」

あぁ。そういや、上半身裸だった…。

「暑いから、しゃーねーだろ。ってか、早く、階段降りろ。」

「言わなくても、降りますよーだ！！
　お母さんから、回覧板と、貰い物のお菓子、預かってきたから。」

回覧板を持って、勝手に入ってきた邪魔者は隣の幼なじみのさくら。
一つ下の同じ学校に通う、性別女子。

「おっ！？今日は何、何？？」

「ゲンキーン…。シャツぐらい来なさいよ！！」

「あぁ？見慣れてんだろ、お前。」

生まれた時から、隣にいる、こいつは俺にとって妹みたいなもんだった。

階段を下りきったところに、無造作に置いてある紙袋から覗く大量の水羊羹。

「水羊羹って、おばちゃん相変わらずチョイスが渋いな。」

「もらいもんだから。いらないなら、持って帰るけど。」

「いえ。遠慮なくいただきます。」

いつも通りの軽い会話をしていると、
さくらが、階段の方を見上げ頬を染めた。

「ん？？」

振り返ると、俺の部屋のドアから、ひょっこりと顔だけ出した伊野尾君がいた。

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