第3話 ページ4
珈琲を啜りながらカウンターを見る。
そこには嬉しそうに頬を緩ませた意中の人が立っていた。
「やっぱり、ここの珈琲美味しいですねぇ」
「そう、ですね」
「･･･おやおや、旧多くんは店員さんにお熱ですか？」
「えっ？いや〜ははは」
キジマさんがからかうように言う。
だが今は少しでも多く、彼女を見ていたい。
てきとーに誤魔化すと、キジマさんはまた珈琲を飲み始めた。
そして僕はまたカウンターに居るだろう彼女へ視線を移す。
だが、そこには僕が思っているのとは違う嫌な光景があった。
「Aさんっあ、明日のことなんですけど･･･」
『あっ･･･はい！』
「どこに行きたいですか？」
楽しそうに話す2人の姿に奥歯を噛み締める。
あー、どうしてそんな顔をするかなぁ
そんなんじゃ、勘違いされちゃうでしょ？
『ふふ、楽しみです！』
「あ、僕迎えに行きますね！」
『ありがとうございます！』
あーそんな話しないでよ
僕なんて、名前も覚えてもらえていないのに
ずるいなー佐々木君は
「･･･じゃあ、また明日」
『待ってますね！』
そう言って名残惜しそうに2人は仕事に戻る。
僕はスキを見計らって立ち上がり、カウンターから出た彼女にそっと近付く。
鼻歌を歌う彼女は随分と浮かれているようだった。
とんとんと肩を叩くと彼女は振り返り、僕を綺麗な瞳の中に写した。
「こんにちは」
『･･･えと、どうも』
ぎこちなく挨拶を返した彼女は何だろうと不思議そうに僕を見る。
別に何か用があった訳では無いんだけど、あの2人の様子を見てたら何となく体が動いてしまった。
「僕、旧多二福っていいます！」
『･･･よ、よろしくお願いします？』
これまた不思議そうな顔をする彼女に、僕は頭を掻く。
あーもう、本当に僕の事なんてただの常連客としてしか見てなかったんすね
残念通り越して悲しいですよ〜
「僕ずっと仲良くなりたいなーって思ってたんですよ！」
『あ、ありがとうございますっ』
「この後とか、時間空いてます？」
『･･･あ、えっと』
緊張しているのか、困った様に彼女は視線を下へずらす。
そんなとこも可愛いくて好きですよ。
だから早く、"Yes"って言ってください。
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旧多 - 旧多好きや更新待ってます！ (2017年11月30日 22時) (
レス) id: 68fded12f7 (このIDを非表示/違反報告)
さおり - 旧多カッコイイ！楽しく読ませて頂きました。更新楽しみにしてます！ (2017年3月30日 9時) (レス) id: 98c90ddb38 (このIDを非表示/違反報告)
もな - 更新楽しみにしています。 頑張ってください！ (2017年3月5日 17時) (レス) id: e20810bafb (このIDを非表示/違反報告)
恋は難しい - ヒデが切ない(;;) かっこE 旧多イケメン ハイセイケメン (2017年2月11日 20時) (レス) id: 5204371f84 (このIDを非表示/違反報告)
栞 - 更新楽しみにしてます！ (2016年11月29日 22時) (レス) id: e50280d477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリエス | 作成日時：2016年9月4日 19時
