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健人くんと彼はなにやら話が盛り上がってしまったようで、先程からずっと話し込んでいるように見えた
私は物陰に隠れて、隣に居る風磨くんとの距離の近さに高鳴る鼓動を押さえつけながらただ座り込んで時が経つのを待った
「向き合ってみると、見えてくる」
「ん? なにが」
「周りにあったもの?」
両親に恩返しがしたいとか、そんな綺麗事思っちゃいない
でも、健人くんとか勝利とか、ちゃんと向き合えばそばに居てくれる人の大切さに気づけた
「Aちゃんちょっと、顔付き変わったもんね」
「ぇ、そう?」
「うん。なんかいいよ」
風磨くんに褒められることは、他の誰に褒められるのよりも嬉しい
私は疲れと、なかなか終わらない健人くんの話のせいでここから動けないことが退屈で小さなあくびをひとつした
そしてそのまま、あろうことか眠ってしまったのだ
まだ夕方くらいの時間なのに、なかなかぐっすり眠ってしまったのだ
きっと話にオチのついた健人くんは、突然私と風磨くんが居なくなったことに驚いていたと思うし
仕事を途中で投げ出してしまったことを怒っているかもしれない
それなのに私は小さな空間の中で、隣にある小さな温もりを感じながら
まるでお母さんに抱きしめられて安心して眠ってしまった幼い赤ん坊のように、ぐっすり、そして安からな夢を見ていた
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです^^続編もよろしくお願いします! (2019年4月24日 23時) (レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです!一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えつ | 作成日時:2019年4月6日 22時