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ハッと目を覚ますと、辺りは暗くなっていた
お店はもう閉まったのだろうか、健人くんの声はおろか話し声すら聞こえてこない
私は重たい瞼をこじ開けながら、右に倒れていた自分の首を戻した
ところで、気づいた
隣に、黙ったままの風磨くんが居たこと
「……ふぇ？！」
「おはよ」
彼はきっと、眠ってしまった私の頭をその左肩で支えて
それで身動きが取れなくて、私が起きるまでじっとここに座っていたのだろう
「……えっ、ごめ…っ」
「いいよ全然。疲れてるの？ 大丈夫？」
それなのに彼は迷惑そうな顔は一切しないで優しく笑った
そして軽く私の頭にその大きな手で触れる
「無理、すんなよ」
無理してるのは、そっちの方なんじゃないのか
私のために優しくしてくれる彼が不思議で仕方なくて、私はしばらく黙ったままその目を見ていた
「お腹空いただろ、さっき従兄弟が上登ってったぞ。ご飯作ってくれてんじゃね」
風磨くんの言葉も、風のように私の耳を通り抜ける
目が離せない
目を逸らすことができない
「ふ……」
何を伝えたいのか分からなかったけれど、その名前を呼ぼうとした
薄暗い狭い場所に、2人きり
手を伸ばさなくても届くくらいの距離
私の声は、喉の奥に留まったままなぜか出てこなかった
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
