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「誰……なの?」


「妹の彼氏。うわあいつ、花なんて買って…あげるつもりかな?」









風磨くんって、妹さん居るんだ









まず初めに浮かんだことはそれだった









そういえば風磨くんはいつも私の話を聞いてくれるから、自分のことはあまり話してくれない









私は "妹の彼氏" にしては幼い印象を受ける彼に目をやる









「歳、結構離れてんだ」


「どうして隠れるの?」


「俺の妹、ちょっと反抗期でさ。彼氏居ること家族にバレてないと思ってんだよね」









でも、その彼氏さんは風磨くんのことを知っているらしくて









顔を合わせてしまったらいけないと思ったのだそうだ









「隠したいって本人が思ってるんだからさ、知らないフリしてあげたいじゃん?」









風磨くんはそう言って彼に背を向けて棚にもたれかかった









知らないフリ









普通ならばそれは、親切な行為ではないはずで









なのに、風磨くんの "知らないフリ" は優しくて








この人には、どんなものでも優しくしてしまう魔法みたいなものがあると思った









「知らないフリ…」








私は "知らないフリ" を優しさとして使えただろうか








この店のことも、自分には関係ないと恨んでばかりいた









知らないフリ、していた








私の "知らないフリ" はきっと、ただの逃げでしかなかった








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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです^^続編もよろしくお願いします! (2019年4月24日 23時) (レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです!一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えつ | 作成日時:2019年4月6日 22時

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