episode9 ページ10
章大said
すばるが入院って聞いた時はほんまにびっくりした。
今まで辛いとこ全然見せへんかったけど
ほんまは辛かったんかなって…
なんで俺気づいてあげられなかったんや。
俺らのためにあんなに頑張ってくれてるのに…
亮はずっと勉強してて大変やから
俺に出来ることって何やろって考えた。
通信制の高校はいつやってもええから
俺はバイトすることにした。
ひとつはファストフード店の厨房。
もうひとつは…言えないような仕事。
だけどすばると亮のためにもなるし
俺らの念願を果たせるかもしれない。
お金が貯まってきてほんまはギターが買いたかった。
ただ1つずっとやってみたかったこと。
ギタリストになるんが夢やった。
けどすばるも亮も好きなこと我慢して
一生懸命頑張ってるから
俺も我慢して2人がいつか使えるように
お金を貯め続けようと思った。
俺が我慢すればみんなで笑顔でおれるから。
2人のことを思えば俺は…頑張れた。
亮「章ちゃんどうしたん？自分すごい顔やで。
もしかして体調悪い？」
ひとり物思いにふけっていたら
隣で勉強していた亮に話しかけられた。
章「ちょっと考え事してただけやで。ありがとう。」
亮「うん…なぁ章ちゃん…」
章「ん？どうした？」
亮「すばる…居なくならんよね？大丈夫やんな？
俺…もうこれ以上大切な人を失いたくない。」
章「大丈夫やって。すばる信じようや。
それに…何かあったら俺が亮を守るから。な？」
亮「俺章ちゃんと双子やのにな…完全弟やな。」
章「俺の方がちょっとお兄ちゃんやからな。」
亮「大して変わらんて…でもありがとう。」
章「ん。亮もうすぐ試験あるやろ？早く寝ないと。」
亮「章ちゃんは？」
章「俺はもう少ししたら寝るわ。」
亮「じゃあ俺も寝ない。」
章「なんなんそれ。どうしたん急に。」
亮「なんか…ひとりが怖くて…」
章「そーゆーことか。じゃあ今日は寝よっか。」
まだ少し仕事が残ってるから
亮が寝たらそっと起きて続きをやろう。
昔はずっとやったけど最近はこんなに
亮が素直に甘えてくることなんてないからな。
やっぱ不安なんかな…
亮「なぁ章ちゃん…」
章「ん？」
亮「もし…やりたいことあんねんやったら
俺らのこと気にせんとやったらええと思うよ。
きっと…すばるならそう言うから。」
章「どうしてん急に。でもありがとう。」
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作者名：黄色担 | 作成日時：2020年10月20日 22時
