episode8 ページ9
すばるsaid
…2年半前
亮「すばる!今日な、進路希望調査貰ってん。」
章「家族と話し合ってってさ。」
す「どっか行きたい高校あるんか?」
亮「俺は…公立でええから英語科に行きたい。」
す「ええやん。章大は?」
章「俺は…学費が安いとこでええかな。通信とか?」
す「金のことなんて気にせんでええで。
補助も貰えるし奨学金やってあるし…
俺ももっと働けるから。」
章「すばる今でも大変そうやのに
これ以上頑張らせられへんわ。
それに通信なら家で自分のペースでできるやろ?
そしたら俺も働けるし。」
亮「章ちゃんだけそんなん不平等や。
せやったら俺も安い通信制でええ。」
す「ほんまに行きたいとこ行くべきや。
章大も亮も俺と違って頭ええんやから。」
章「亮は関西高校の英語科行きたいんやろ?
俺は別に行きたいとこないから。
行きたいとこ見つかってるならそこ行くべきやで。」
亮「わかった…ごめんな。ありがとう」
す「そんな謝らんといて。
章大も好きなとこ行きや。」
こんなこと言うたら章大安さで通信を選ぶこと
あの時俺は確かに章大も
我慢してることに気づいてた。
それやのに優しい章大に甘えてもうた。
結局今も色んな家事をやってもらってる。
亮もあの後関西高校のトップの成績の生徒だけが
対象の授業料免除制度を使うために
必死に勉強して学費を抑えてくれた。
それやのにまた迷惑かけてまうやん…
俺何やってんねん。こんなんやと兄失格やわ。
それやのに今もまだ高校生の章大に
働かせてもうてる。
知らんかった。病気になって初めて知るなんて…
なんて言葉は通用しないことくらい
自分で分かってるのに…
いくら補助が出ても俺一人で働いて
3人暮らしていけるとは思ってなかったから
親父とおふくろの貯金崩しながら生活してたけど
それもそろそろ底をつきそうで困ってた。
そんな中の入院は俺らにとって大変なことやのに…
章大が貯金してくれてたんやな…
2人ともまだ高校生。
好きなことたくさんやりたいはずやのに…
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作者名:黄色担 | 作成日時:2020年10月20日 22時