愛の行方 (ページ8)

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episode7 ページ8

すばるsaid
今は俺が生活費とか学費とか払ってるから
毎日朝から夜までびっしり働き詰めの日々。
それでも章大と亮のためなら頑張れた。
今日もいつも通りのレコード会社で
残業を済ませて帰ろうとした。

す「主任、お先に失礼します。」

そう言ってオフィスを出ようとした時やった。
胸の辺りが張り裂けそうになった。
痛すぎて息も吸えなければ声も出せなかった。

す「っ…」

俺はそのまま崩れ落ちた。こんなん初めてやった。
別に特別体弱い方でもないし
何が原因かなんて想像もつかなかった。
俺はありえないほどの痛さに
ただ顔をしかめることしか出来なかった。

主「渋谷！大丈夫か？渋谷？渋谷？」

主任が駆け寄ってきてくれたけど
返事をすることが出来ない。

主「ちょっと待ってろよ。今救急車呼ぶから。」

痺れる手足…ありえないほどの痛み…
主任の俺を呼ぶ声…章大と亮の笑った顔…
全てが真っ暗な闇に消えた。

目を覚ますと俺は病院にいた。
しばらくしたら章大と亮が来てくれた。
もうしばらくすると今度は医者が来た。

す「あの…俺どっか悪いんですか？」

医「先程簡単に検査させて頂いた結果によると
渋谷さんは心筋梗塞の可能性が高いです。」

章「嘘やん…そんなんないやろ…」

医「とりあえず詳しく検査させてもらいたいので
明日からしばらく入院出来ますか？」

す「でも…俺が入院したら…生活費と亮の学費が…」

亮「そんなん気にしてる場合ちゃうやろ！
まずは自分の身体のこと第1に考えてよ！」

章「せやで。なんなら俺も働いてるし。
多少ならお金あるから。安心して！」

す「でも…」

亮「俺すばるがおらんくなったら嫌や。
やからこれから生きるためにも検査して。」

す「わかった…じゃあお願いします。」

医「分かりました。」

亮「じゃあ荷物ここ置いとくからな。
学校終わったら来るから。」

章「なんかあったらすぐ言うてや。」

す「ありがとう。ほな行ってらっしゃい。」

2人を見送ったら俺は病院へ向かった。
入院は3日間だから大して荷物も多くないし
何とかなりそうや。
でも…なんで俺が病気にならなあかんの？
俺が病気になったら章大と亮が困ってまう。
元々稼ぎもまだ良くないからっていうのを気にして
章大は安い通信制の高校に通ってる。
本当は普通の高校行きたいはずやのに。
俺は…ダメな兄貴だ。