第41話 ページ3
「…そうか」
話を聞き終えたシンドバッドさんは、
腕を組んで静かに目を閉じた。
ジャーファルさんも顔をしかめる。
「煌でそんなことが起きているとは…それよりA皇女、
そんなことを私達に喋ってしまってよいのですか?」
「いいんです。…ただ…私自身はどうしたらよいのか…」
兄上や紅覇君たち、そして青舜は私の幸せを願ってくれた。
でもやっぱり、私が結婚しなくてはアリババ君の国が武力で制圧されてしまう。
バルバット国民の大きな負担、なによりもアリババ君自身が一番悲しむのではないだろうか。
シンドバッドさんは目を開き、私に向き直った。
「君が国のために結婚したいと言うのであれば、俺は何も言わない。
アリババ君は良い子だし、武力も知恵もそれなりにある」
「…!?ちょっとシン!?」
「だがな、A」
日が暮れかけている室内は、夕焼け色に染まっていた。
シンドバッドさんの顔にも影が落ち、黄色い瞳が映える。
「それは自分の意見を押し通そうとしているだけに過ぎない。
国のためと言いながらも、勝手に結婚しようとするのは…見方を変えれば、君の我が侭だ」
「…!!」
「本当に周りの者のことを想うのであれば、周りの願っていることに応えるのが
賢明だと俺は思う。だがそれは、他の誰でもない、君自身が決めることだ」
…わが…まま…?
私が今まで相手のことを想ってとってきた行動は、単なる我が侭?
…確かに見方を変えれば、そうなるのかも。
さすが七海の覇王シンドバッド。
世間や人を見る目に長けているぶん、言う事が深い。
私が考え込んでいると、シンドバッドさんが微笑んだ。
「…部屋に戻って考えを整理してみなさい。答えはきっと見つかるはずだ」
「…はい。失礼しました」
部屋を出ようとすると、ジャーファルさんが小声で私に呟いた。
「シンの話は少し難しいですね。また悩みがあったら、いつでも相談してください」
「はい…ありがとうございます」
部屋の外では、白龍が待っていてくれた。
もう部屋に戻っているかと思ってたけど。
「大丈夫でしたか?なにもありませんでしたか?」
本気で心配そうにしてくれる白龍。
この子のため、私は何が出来るんだろう。
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綺晶(プロフ) - AKB☆love☆さん» え…私の画力をですかあああ!?((すみませんありがとうございます!! (2013年6月7日 19時) (レス) id: 679d8677c1 (このIDを非表示/違反報告)
綺晶(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!頑張ります☆ (2013年6月7日 19時) (レス) id: 679d8677c1 (このIDを非表示/違反報告)
綺晶(プロフ) - 唯苺さん» 了解です!ありがとうございます!! (2013年6月7日 19時) (レス) id: 679d8677c1 (このIDを非表示/違反報告)
綺晶(プロフ) - 天猫さん» ありがとうございます!!続編を過去のお話にするか少し未来のお話にするか迷っています(笑) (2013年6月7日 19時) (レス) id: 679d8677c1 (このIDを非表示/違反報告)
綺晶(プロフ) - AKB☆love☆さん» わわ、ありがとうございます!続編のネタ考え中です(笑) (2013年6月7日 19時) (レス) id: 679d8677c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺晶 | 作成日時:2013年4月15日 19時