名前 ページ5
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朝餉を終え、洗濯の手伝いも終わった私は縁側でのんびりと庭を眺めているといつもの事ながら後ろから誰かに抱きしめられた
こんなことを私にする人物など一人しかいない
「……仕事はどうした」
「A不足で死にそうじゃ……」
「勝手に死ね」
その言葉に返しは返って来ず、代わりにぬらりひょんの頭が私の肩口にぐりぐりと押し付けられる
まるで幼い子供のようだ
いつもの事だからAは今の会話などなかったかのように話を続けた
「……まぁ、確かにこっちに帰ってきたら魑魅魍魎の主となった貴様にへりくだる妖怪共や喧嘩売ってくる妖怪共の相手で組もてんやわんやだものな」
「なんじゃい、この忙しさは…!」
「魑魅魍魎の主になった代償だな」
「ぐっ……」
奴良組自体割と最近出来たような新参者の組らしい(妖怪の感覚で言えばの話)
それが魑魅魍魎の主となったのだ
急激に成長するぬらりひょんに下る者も多いが反対に新参者と見て喧嘩を売る者も多い
ぬらりひょんとしては京からわざわざ連れ帰った自分の女であるAとの時間を作りたいというのにお目通りを願う妖怪やら喧嘩売ってくる妖怪やらのせいで全く作れずじまい
江戸からに来てからというものAといる時間は一日にどれほどなのかも分からない
恐らくこっちに来た初日以外は朝餉夕餉の時以外会ってない気もする
それによってイライラは募るばかりだし喧嘩売ってくる奴は多いしへりくだる妖怪共は自分の機嫌を伺うばかりで鬱陶しい
「やっとAと一緒におれる……はぁ」
「仕事は終わったのか?」
「最低限やらにゃならんことはな。
あとはもうカラスに押し付けてやったわ」
どこかで鴉天狗の総大将ぉぉ!!という声が聞こえてきた気もする
でもまぁ、このぬらりひょんを見る限り本当にこのまま萎れてしまいそうだから大目に見てやろう
流石にカラスたちも萎れた総大将は見たくないだろうからな
「……Aたちがこっちに来てもうどのくらいたったかのう?」
「一ヶ月ほどだな」
「……一ヶ月も経っとるのに祝言すらあげられんとはなんなんじゃ……クソ……」
「準備期間として私はのんびりやってるよ」
「……そう可愛いことを言うな」
「今のの何が可愛いのか意味がわからん」
一体今の発言のどこに可愛らしさを感じたのか、コイツは
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Yoduki(プロフ) - 面白いです!続きが楽しみです (2019年9月13日 23時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - 最高です!続きが楽しみです! (2019年9月9日 12時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 0429chuyaさん» コメントありがとうございます!頑張りますので、引き続き愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - Yodukiさん» コメントありがとうございます!これからも愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
0429chuya(プロフ) - とても面白くて大好きです!!もうすっごく最高です!!!!いつも続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年8月22日 18時) (レス) id: d35d3612e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2019年7月29日 20時