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「非力な人間がよくぬらりひょん様の横に立てるわね」
「人間のくせに」
「テメェら……」
すぐ隣からしたドスの効いた声に女妖怪は身を震わせた
ぬらりひょんより発せられたその声は紛れもなく怒気を孕んでいる
「ワシの女を、悪く言うたァ…
よほど死にてぇのかい?」
「なっ」
「ち、違いますぬらりひょん様」
「わたくしたちはただ」
ぬらりひょん様のためを思って
彼女たちは皆そう言った
牛鬼はそんなものありがた迷惑だ、と心の中で呟く
ぬらりひょんのためを思うなら即刻ここから立ち去れ、とも思う
そんな中、凛とした芯のある声が響いた
「非力な人間か。……まぁ、そうだな」
声の元はAだ
「ふむ、雪麗の話では随分と自分たちの容姿に自信があるとか…
ふふ、どれも私の足元にも及ばぬ醜女ではないか雪麗」
「………いやね、アンタと比べたらこの国にいる女全員そうよ」
「非力…妖怪からしたら人の子など皆そうだろう。
だがそこの男が求めてるのは力のある女ではないが?」
クスクスと笑うAのその妖艶さ
そして彼女から発せられる言葉の一つ一つ、騒いでいた女たちが本能的に黙ってしまうほどの圧力もあった強いもの
「さて、ぬらりひょん」
視線の集まるAはそれも気にせずぬらりひょんへ語りかける
「その者共は貴方の妻になりたく
そしてあなたの子を生んだ、孕んだ、とか」
「……そういう、話じゃな」
「ではまず、一つ。ぬらりひょんの妻は私だ。
貴様らに譲る気は毛頭ない」
当然女妖怪の批判の声が上がるもまたしても黙り込んでしまうような強い声で二つ目を続けた
「二つ、子供を産んだと言ったな。……見てわかった。
その子供たちはぬらりひょんの血など継いでおらん」
「なっ、なぜそんなことが分かるわけ!?」
「私の子はぬらりひょん様の子よ!?」
「私はぬらりひょんを心から愛し慕っている。
その愛している男の子がわからぬほど私の愛は軽くなどない」
もしかしたらAが嘘をついているのかもしれない
そう言われるかもしれないが奴良組は知っている
Aは、こういうことに関して嘘をつくような人間ではない
「A……ワシは、だな。その」
「ぬらりひょん」
「あー、なんじゃ。
ワシの話も聞いて欲しいんじゃがな」
「お前のいらぬ言い訳など心底どうでもいいわ」
「は?」
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Yoduki(プロフ) - 面白いです!続きが楽しみです (2019年9月13日 23時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - 最高です!続きが楽しみです! (2019年9月9日 12時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 0429chuyaさん» コメントありがとうございます!頑張りますので、引き続き愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - Yodukiさん» コメントありがとうございます!これからも愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
0429chuya(プロフ) - とても面白くて大好きです!!もうすっごく最高です!!!!いつも続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年8月22日 18時) (レス) id: d35d3612e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2019年7月29日 20時