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奴良組の誰もが一体この状況をどうしたらいいのかと頭悩ませていると、着物の擦れる音が聞こえた
その音は珱姫たちの時とは違い、どちらかと言うとゆったりとこちらへ向かってくるもの




「……来たんじゃねぇか?奥方」

「いらっしゃったようですぞ、総大将」

「げ」




まだ何もいいわけ考えてないのに、と言いたげな一言が口から出た
女たちはやっと来たのね、と珱姫たちの出ていった方を見る
そしてまずそこから来たのは白い着物を着た雪女こと、雪麗である




「……雪女お前ぇAのこと呼びに行ったな?」

「呼びに行ってないわよ。
ただ事の次第を奥方に報告したまで。
当然の仕事をしただけよ」




ツン、とぬらりひょんに冷たくそう言い放つと牛鬼の隣へ座った




「A様はどうされた?」

「すぐ来るわ。
そんでもってこの事態もあの子が解決してくれるわよ」

「A様が?」

「ええ」




何をどう解決するのか気になるが、とりあえず待つことにした
程なくしてまた着物の擦れる音がすぐ近くから聞こえ始め、障子にその影を落とした
そうして中へ入ってきたのは祝言の時のお色直して身にまとった真朱の着物と打ち掛けを着てその顔の端麗さを殺さぬ絶妙な化粧を施したAだ

その美しさは祝言をあげた時と同じ
奴良組の者は二度目だと言うのにまたしてもその目を奪われ、そして初めて見た女妖怪たちは文句など垂れる暇も与えられずその美しさに言葉を失った




「……」




淡々としながら広間へと入ってきたAはぬらりひょんと、そのまわりを囲む女や子供を一目やる




「A……その着物……」




今Aが身にまとっている着物は、Aが汚れては嫌だからと祝言の日以外には一度も着なかった物
Aがその着物をとても大事にしているのを知っていた上にあまり着る気もなかったことを知っていたぬらりひょんはまさかそれを着てここに現れるとは思っておらず、ぽかんとしてしまった




「ぬらりひょん」

「……なんだ?」

「雪麗からこの状況の内容は聞いた」

「あ、あぁ」




内心冷や汗ダラだなぬらりひょんはAに名を呼ばれてやっと我に返り一気に頭をフル回転させていく
とりあえず何かいいわけを考えねば、と




「……あなたがぬらりひょん様の妻という、人間の女?」

「それがどうした?」

「フン!なによ、見た目だけじゃない」



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Yoduki(プロフ) - 面白いです!続きが楽しみです (2019年9月13日 23時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - 最高です!続きが楽しみです! (2019年9月9日 12時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 0429chuyaさん» コメントありがとうございます!頑張りますので、引き続き愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Yodukiさん» コメントありがとうございます!これからも愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
0429chuya(プロフ) - とても面白くて大好きです!!もうすっごく最高です!!!!いつも続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年8月22日 18時) (レス) id: d35d3612e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月29日 20時

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