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とは言うものの嫌なことあったら多分ド直球で本人に言ってしまいそうだけど
しかし、本当にこの私が誰かと結婚をすることになるとは驚きだ
きっと前世の姉様たちに言ったら腰抜かすほど驚かれそうだ




「ふふ」

「?珱?」

「姉様、とても嬉しそう」

「え」




そんなに、顔に出ていただろうか
なんだか恥ずかしいな




「恥ずかしがることはないと思うぞ、A様!
好いた殿方の元に嫁ぐのだ!嬉しい決まっておろう!」

「……苔姫はなんだかんだ、こういう女としての肝は座ってそうだな」

「?そうか?」

「あぁ」




今ばかりは、その肝を譲って欲しいものだ




「にしても、まさか『式三献』を三日かけずにやるなんて妖様はやっぱり変わったお方ですね」

「まぁ、私は元々この屋敷にいるから初めからいきなり違うしな」

「でも『式三献』を一日で全てやるなんて聞いたことありません」

「じゃがまぁ、嫁ぐのは人ではなく妖じゃからの。
人の式のやり方に囚われぬのは当然なのかもしれぬな!」

「「確かに」」




あくまでも式三献は人間の婚儀の儀式だ
それを妖怪に当て嵌めろというのも違うだろう




「……私はあやつと夫婦になれれば充分だ」

「はい、姉様の晴れの日に立ち会えること、珱姫はとても嬉しゅうございます」

「わらわもじゃ!」

「ありがとう、二人とも」




程なくして、淡い青色の着物を来た雪麗が現れ婚儀を行う時刻になったことを知らせに来てくれた
それを聞き、珱たちは会場へ一足先に向かい、雪麗は一応最終確認的な様子で事の内容を説明してくれる




「今言ったやつがやる内容よ。わかってるわね?」

「ええ、覚えてる」

「よし。じゃあ私も行ってるわ」

「うん」




雪麗もいなくなり、この場には私だけになる
しんと静まりかえる部屋




「……はぁ……」




やけに緊張する
三々九度の盃を交わすだけではないか
何を緊張することがあるのか




すると、隣の広間から鴉天狗の仕切る声が聞こえるが、次第にその声が聞こえなくなる
それを合図に私は立ち上がり、広間へと向かう
一歩一歩、踏み締めつつ、広間へ

下座のところにたどり着けば、中にいる者たちが息を呑んだ音が聞こえた
このまま真っ直ぐ行くところに紋付袴を着こなす己の夫となるぬらりひょんが目を見開いて私を眺めているのが見える
それに小さく笑ってそこへゆっくりと向かう



今頃になって、やっと実感してきた



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Yoduki(プロフ) - 面白いです!続きが楽しみです (2019年9月13日 23時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - 最高です!続きが楽しみです! (2019年9月9日 12時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 0429chuyaさん» コメントありがとうございます!頑張りますので、引き続き愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Yodukiさん» コメントありがとうございます!これからも愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
0429chuya(プロフ) - とても面白くて大好きです!!もうすっごく最高です!!!!いつも続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年8月22日 18時) (レス) id: d35d3612e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月29日 20時

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