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「それで、どうじゃったんじゃ?」
「そうですね」
鴆はAとぬらりひょんを交互に見て、笑った
「おめでとうございます。
「…………そ、れは…………」
「やや子に御座いますよ、奥方。総大将との」
「や、や子」
あまりにも突然過ぎて、他人事のように聞こえた
ゆっくりと起きて、そこに手を当ててみる
──ここに、新しい命が、いるのか?
「大将!!やったのう!二代目じゃぞ!!」
「ワシと、Aの子か……っ、よくやったA!!」
「うぐっ」
ガバッと勢いよく抱きついてきたぬらりひょんに鴆はAの身を案じろと注意をした
「おめでとうございます総大将。
この牛鬼、大変嬉しく思います」
「いつかできるとは思ってたがやっぱ早ぇな…
…まぁあんたらの頻度なら出来てもおかしかねぇが」
「よし、大将はそのまま奥方についててやんな。
わしは屋敷中に言いふらしてくる」
「おう、頼んだぜ狒々」
「狒々お前ぇな……」
「一ッ目、牛鬼、お前たちも行くんじゃ。
大将の子ができたんだぜ?今日は宴じゃ」
牛鬼は異論はないのか、スクリと立ち上がり面倒くさそうな一ッ目は狒々に襟を持たれてさっきの鴆よろしく引きずられて部屋をあとにした
「……ここに、ワシの子が居るのか」
腹に手を当てているAの手に重ねるようにぬらりひょんは手を置くとなんとも言えない感情が込み上げてきた
「うるさいのも出てったところですので話をしますが、三月ではまだまだ子が安定しておりませんのでどうか奥方は安静になさってください」
「……わかった」
「そして奥方の様子ですと多分つわりがある様なので、無理に食事を完食はしなくてもいいですが毎食少しでもいいのでしっかり食べてください。いいですね」
「あぁ」
「栄養をとらねばやや子にも影響しますからね」
なんだか、実感がわかない
私が母になるのだ
この、私が
「……実感が、わかないな」
「今はそういうものでしょうな。
実感など腹が大きくなり始めてやっと感じるものでしょうから」
「……そうだな」
まだぺったんこな腹に、ここにぬらりひょんと己の子がいる
今は小さな小さな命でも数ヶ月すると存在を主張するように腹が脹れてくるのだ
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Yoduki(プロフ) - 面白いです!続きが楽しみです (2019年9月13日 23時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - 最高です!続きが楽しみです! (2019年9月9日 12時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 0429chuyaさん» コメントありがとうございます!頑張りますので、引き続き愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - Yodukiさん» コメントありがとうございます!これからも愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
0429chuya(プロフ) - とても面白くて大好きです!!もうすっごく最高です!!!!いつも続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年8月22日 18時) (レス) id: d35d3612e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2019年7月29日 20時