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「……何をあげれてるかは知らんが、何かをあげられてるのなら良かった」

「沢山もらっとるから安心するとええ」

「ふふ、そうだな」




あぁ、幸せだ




「そうじゃ」

「?」

「A、"でぇと"しよう」

「デート?」




まさかぬらりひょんの口からそんな言葉出てくるとは思ってなかったためキョトンとした顔でぬらりひょんを見上げた

この時代にはそういう言葉は全く浸透していないはず
私は前世の記憶があるから分かるものの、まさかぬらりひょんが知っているとは




「そう、"でぇと"じゃ」

「デートって……」

「"でぇと"ってのは平たくいやぁ二人で行きたいところに行くだけじゃ!
何処に行きたい?」




どうやら私の知るデートと"でぇと"とやらはやはり同じらしい




「急に言われてもなぁ」

「なんでもええぞ?」

「……桜が、見たいな」

「桜?」

「あぁ」




目の前にある庭の枝垂桜に視線をやるとぬらりひょんもそちらへ目を向けた




「珱が産まれた時も綺麗に桜が咲き乱れていた時期らしくてな…
それもあってかあの子は桜が大好きなんだ。
よく珱とは昔から春になると一緒に庭の桜を眺めたものだ」

「ほぉ」

「桜を眺めるのが、私は好きでな」




昔、母が生きていた頃からずっと眺めてきた桜
桜には、たくさんの思い出が詰まっているのだ




「それに桜はやはり珱が一番似合う花だからな。
見ていて心が和らぐ」

「そうでもねぇさ」

「?」




不意に髪の毛がくん、と引っ張られる感覚がして振り向けばぬらりひょんがひと房とって指にまきつけて遊んでいるではないか




「あんたなら、どんな花だろうが木々だろうが全てあんたに似合いのものになる。
確かに珱姫にゃ桜が似合うがあんたもよう似合う」

「……そうか」

「じゃが、言うなら珱姫はお天道様に照らされる桜。
あんたは月光に照らされる夜桜じゃな」

「なんだ、それは」




珱が昼で、私が夜
その違いはなんなのか



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Yoduki(プロフ) - 面白いです!続きが楽しみです (2019年9月13日 23時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - 最高です!続きが楽しみです! (2019年9月9日 12時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 0429chuyaさん» コメントありがとうございます!頑張りますので、引き続き愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Yodukiさん» コメントありがとうございます!これからも愛読よろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月25日 13時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
0429chuya(プロフ) - とても面白くて大好きです!!もうすっごく最高です!!!!いつも続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年8月22日 18時) (レス) id: d35d3612e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月29日 20時

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