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「おい、シトリー」

「…なんだ、人間」

「バーンスタインをこちらに渡せ。
そしてお前は早く虚無界に戻れ!」



ネイガウスはシトリーを睨みつつもAが呼ぶために使った魔法円を探していた
あれを破ればシトリーを虚無界に強制送還できるからだ



「ふん、僕は貴様なんぞに命令される筋合いはない。
それと………お前の捜し物はこれか?」

「!」



シトリーの手にあったのは召喚に使った魔法円
それが悪魔自身の手にあるのははっきり言って、まずいことだ
それがなければ強制送還はできない上にシトリーは言わずもがな上級悪魔だ
それも八候王に次ぐ、超上級悪魔とも言える
これを野放しにすることなどできない



「…バーンスタインをこちらに渡す気がないのならば、こちらもそれ相応の対処をすることとなる。いいのか」

「この僕がたかがお前程度の祓魔師に負けると?
相変わらず人間は馬鹿だな」



嘲笑うように鼻で笑ったシトリー



「なぜバーンスタインを渡さない?
バーンスタインはお前になにか利益のある人間か?
それとも後で殺すからか?
契約して魂を食らうからか?」

「魂を食らう?」



シトリーは今度こそ、ネイガウスを嘲笑いながら言う



「魂など、そんなものいらない。
…僕が欲しいのは、ただ一つ」



数千年前に与えてくれた、あの温もりだけ


小さく呟かれた言葉は誰の耳にも届くことはない
シトリーは腕の中でどこか苦しそうに寝ているAの頬に手を這わせる




ああ、お前は今、夢で僕達のことを思い出しているのだな



「ええ加減、Aを離せや!苦しんどるやろが!」

「ふむ。今の名はAというのか」

「もう一度聞く。
バーンスタインをどうするつもりだ、シトリー」

「どうもしない。ただ僕はこの子の望みを叶える。
それが何であろうと…ただそれだけだ」



悪魔であるというのにどこか慈悲のあるその眼差しをAに注ぐ姿は異常だ
ネイガウスは舌打ちをすると今一度シトリーへ訴える



「一体お前にとってバーンスタインが何なのかは知らんがそいつの事を思うのならばさっさど虚無界へ帰れ。
召喚にはそれ相応の力を使う」



お前が出っぱなしならばバーンスタインも寝てる間に相応の力を使い続けることになるのだと伝えるとシトリーは端麗な顔を歪めた



「…………そう、か。ならば、仕方がない」



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人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります!魔界王子も青エクもどちらも好きなので読めてとても嬉しいです!更新待ってます! (2019年11月12日 16時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年10月26日 13時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
三月 - 初めまして!すっごく面白かったです。更新頑張って下さい! (2019年10月17日 13時) (レス) id: 672fceb52b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はるぴすさん» はるぴす様コメントありがとうございます!HQのみならずこっちまで読んで下さるとは有難いです(><) 感謝感激です…。完全に勢いで書いてる作品ですが楽しんでもらえればと思います! (2019年5月14日 17時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
はるぴす(プロフ) - 青エクいいですよね!!この作品もすごい面白いです!ハイキュー作品も青エク作品も応援してます! (2019年5月11日 8時) (レス) id: 33a3e8dbe2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月11日 1時

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