忘れ物 ページ7
「A、今日も行かないの？」
と、研磨の声がする。
もう、朝なのか。
とりあえず私は布団から顔を出した。
「ごめん、今日は休みだった。」
と、スマホを見ながら研磨が言う。
私は研磨が他に何か言いたいのがわかった。
「何か、ある？」
「…別にない。」
何か、拗ねさせてしまったみたいだ。
バタン、と扉を閉めて階段を降りてしまった。
今日はなんだか身体が軽かったからリビングに向かった。
珍しい早起きに、父と母が驚いていた。
「今日、地球が終わるのか…？」
なんて言い出す始末。
ただ、研磨は居なかった。
部活があるのにギリギリに研磨が起きたせいでクロが猛ダッシュで連れて行ったようだ。
シューズが廊下に置かれていて、玄関にゲームが落ちていた。
クロがいながら珍しいこともあるもんだ。
「…おかーさんこれどうしよう。」
と、私はシューズとゲーム機を持ってリビングに向かった。
「え、忘れていったの？」
「…父さん、今日は遅刻できないから届けられないぞ。」
「じゃあ、A、お願いね。」
と断る余地もなく、母にぐぐぐっと背中を押された。
あ、これが狙いなのかと一瞬で私は悟った。
持っていかなきゃ行かないけれど、外に出たくない。
なんて思いつつ、私の背中は部屋の前まで押された。
そして部屋に押し込まれて、「ジャージで行きなさいね」と言われ扉を閉められる。
「早く着替えなさい」
と、まるで呪文のように扉の外から聞こえてくる。
私はほぼ強制的に着替えさせられた。
そして、着替え終わったら終わったで洗面台に連れていかれて歯磨きをさせられ、顔も洗う。
さらに、長い髪を２つに結び終わった瞬間、玄関まで押し込まれた。
「届けてくるまで帰宅禁止！」
バタンと、扉を閉められる。
えー…と思いながら、玄関の前に座る。
どうしようかと、悩んだ。
「…わかってるわよね？」
扉が突然開き、真上から声がした。
私はびっくりして体を震わせ、恐る恐る顔を見上げる。
そこにはまるで、この世の悪魔と言われる存在や鬼と言われる存在などありとあらゆる恐ろしい物を集めたような顔をした母が立っていた。
「…すみません、いってきます…。」
私は渋々、立ち上がり歩き出した。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
