5時 ページ40
パッとみた時間は4時なんてとっくに過ぎていて5時前だった。
私は急に焦りが出でくる。
5時は、もうすでに学校は終わっている時間帯。
部活がなければ、病院に向かっていてなんなら着く頃かもしれない。
クロのことだ、返事が来なくても絶対来る。
なんなら、ゲームやってたから研磨にログイン時間がバレて寝てるか寝てないかの確認までできる。
寝てるなら、仕方ないかーとか言って帰るかもしれない。
でも、起きてれば行くわ!って言って行く可能性が高い。
私は急いで返事をしようとする。
しかし、会いたくないを直球に伝える勇気もないし、嘘が思いつくわけもなくさらにどんどん焦り、何も考えられなくなる。
終わった、死んだ、と確信した。
そして、それと同時に扉がスーッと開いた。
私は、終わりと死を通り越し、火葬場も通り越した上で、更に49日も終わった気分になる。
最後の願いは入ってくる人が、クロじゃないこと。
「よー」
入ってきたのはクロでした。
私は「よー」と咄嗟に挨拶し返す。
私的にすごく気まずい。
昨日、あんなことを言ってしまった身だから。
「大丈夫かよ。いろいろ付けられてるけど。」
「平気平気。点滴は栄養と水分補給だし、この管はもしものための酸素のやつだし。」
と、鼻の下の管を指差す。
次またいつ空気が吸いにくくなるかわからないから。
その時用らしい。
「そういえば部活は?」
私はとりあえず、気まずさを隠すため他愛のない会話をしようと心がける。
「今日からしばらく体育館使用禁止になった。
だから今、監督とコーチに相談して他校と合同させてもらえないかとか、いろいろ策練ってる最中。」
クロはお医者さんのように「隣に座っていいか」と聞くことなく、ベッドの横の椅子に座った。
そして、私の顔をじっと覗き込んできた。
「なんか付いてる?」
「いや…すげぇなあって。」
「…?あ…目のこと?」
「そうそう。」
クロは瞬きすることなく、私の目を覗き込む。
余りにも見つめられるもんだから私はクロの肩を押した。
「見過ぎ。」
「ごめんごめん。」
とクロは笑いながら言った。
にしても、気まずさの「き」の字も感じないのかな。
そんなことを思っていると、視界の端で誰かが病室に入ってくるのが見えた。
私はぐっと背を伸ばして、誰かを確認する。
「あ、先生。」
入ってきたのは昨日と朝と同じ先生だった。
先生は右手を上げて、ニコッとした。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…!!それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…!!応援、ありがとうございます、更新頑張ります!! (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…!!そしてな、なんと!!??そんな…嬉しすぎます…!!頑張ります!!本当にありがとうございます!!嬉しすぎて…(´;ω;`) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します!初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです!応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hitoesasami | 作成日時:2020年3月26日 3時