返事 ページ39
スマホから顔を上げた母が突然、
「この写真、送っちゃお〜。」
と、呟いた。
私はお父さんにでも送るのかな、と思って聞いていた。
「そうだ、A、何か食べたい物ない？」
お母さんは明るい声で私に聞いてきた。
私は、うーんと少し唸り、ないかな、と答える。
さっき食べたばかりだし。
「そっか。じゃあ、何か欲しいものあったら言ってね。」
「わかった、ありがとう。」
お母さんは無理してる。
無理して明るくしている。
そんな必要ないのに、とか思った。
でももし自分の娘が確実に死ぬって言われたらこうなるのかもな、とも思う。
「ごめん、お母さん今日用事があるから、もう帰るね。
お医者さんから聞いたけど、今日調子が良ければ夜には退院できるらしいから。
それまでゆっくり休んでなさい。」
「わかった、気をつけて行ってきてね。」
そう言って、私は母を見送った。
そして、また1人の時間が始まる。
病室でなら通話以外ならしていいはず、と思いスマホを取りだした。
何件か通知が来ていたが、それを無視してゲームを始めた。
暇な時間を潰すため、進化のための素材を集めようとステージを何周もクリアする。
そして飽きたら得意な音ゲーを始める。
さらに飽きたら、TPSのゲーム。
それを何回も繰り返した。
何十回繰り返したあたりで、溜まっていた通知に返事をする気力が出た。
大体4時頃。どうやら6時間ぶっ通しでやっていたらしい。
でも、まあ、お陰で新しく推していたキャラは今持っているキャラの中で1番強くなったし、音ゲーのランクは5レベ上がって163まで行った。
TPSは負け越ししちゃって、少しランクが下がったけど。
そう思いながら私は、メッセージアプリを開いて確認する。
多くは、女子バレー部の人たちだった。
『飛び降りかな？』
『来るって言ったのにショックー！』
『明日、楽しみにしてるね！』
とか、とか。
心配は微塵をしてないようだ。
適当に、相手の機嫌を損ねない返事をしてトーク画面を閉じる。
次に目に入ったのはクロからの通知だった。
『調子、どんな感じ？今日、見舞いに行くわ。』
その返事に悩む。正直顔を合わせる勇気がないし、会いたくもなかった。
でも、いないとかの嘘をつくのは最低だし…。
てかもう4時かあ…。
早く返さないと心配させるよな…。
送ってきたの、朝だし多分、学校着いた直後かな…。
と、どんどん思考は脱走して結局、入力欄は空欄のまま時間が過ぎて行った。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
