やる気スイッチ/gr ページ32
「仕事行きたくねぇ…。」
私の腰に巻き付いて離れないグルちゃん。
時刻は７時２０分、あと５分で家を出ないと遅刻確定という状況で駄々を捏ねられても困る。
「頑張って、今日会議があるから休めないんでしょ？」
ぐりぐりと後ろから首にもたれ掛かる頭を撫でても、更に腕の力は強まるばかり。
「A今日何するん？」
「んーそうだねぇ…お買い物行って、グルちゃんの好きな物作ってグルちゃんの帰りをグルちゃんの動画見ながら待とうかな。」
我ながら１００点満点の答えである。
甘えんぼモードになったグルちゃんはとことん甘やかすに限る。
「他には？」
「お昼はグルちゃんの声が聞きたいから電話してもいい？」
「ん。」
もう一息。
段々とグルちゃんの調子が戻ってくるのを感じる。
「グルちゃん、今日は一緒にお風呂入りたいな。」
「ええなそれ。」
「お風呂から出たら録画してたホラー映画が見たいな、私グルちゃんに抱っこされてないと怖くて見れないや。」
「ん、分かった。」
やっと私の首から頭を起こし、グルちゃんの腕による拘束から解放された。
振り向いて少し乱れてしまったネクタイを直してあげる。
ジャスト５分。
いい仕事したぞ、私。
「よし、かっこいい。」
ぽん、と胸元を軽く叩く。
今日もグルちゃんのスーツ姿は世界一。
「行ってくる。」
「うん、行ってらっしゃい。」
さらりと前髪が分けられると、そこに軽いリップ音を立てて落とされる唇。
ゆっくりと離れていくグルちゃんの顔は、甘えん坊ではなく色香の立ち込める男の顔。
厳しい社会で頑張る大人の男の人だ。
「やっぱこっちもやな。」
今度は悪戯っ子のような顔をして、口にちゅっと軽くキスをされる。
「んもぉ！本当に遅刻しちゃうよ！」
「はいはい、じゃあ行ってくるわ。」
「行ってらっしゃい。」
そうしてやっとの事で出社したグルちゃん。
毎週こうだからやっぱり社会人にとっての月曜日は憂鬱なんだろうな。
頑張って働いてくれるグルちゃんの為に、今日もおいしいご飯を作って彼の帰りを待とうじゃないか。
少し早足で会社に向かう。
今日は少しばかりじゃれ合い過ぎてしまった、急がなければ。
月曜日の朝はAが甘やかしてくれるからやりすぎてしまう。
必死で俺のやる気を煽るAが可愛くて制御が辛い。
やる気なんてそんなもの、お前の笑顔一つでいつでも十分なのに。
さぁ今日も頑張ろう。
世界一可愛い、Aの為に。
生真面目な炊飯器さんより。
「グルちゃんで甘々な話」でした。
あまり糖度なくてすみません…！リクありがとうございました！
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - だいぶ前の小説にコメント失礼します。あなた様のエミさんの認識はどうなってるんですか…変態ですか……好きです｡｡｡｡｡｡｡ (2020年12月2日 22時) (
レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - あ、良かったーびっくりしたゾ（笑）というか見てますよ…！もう光の速さで短編集3へ飛んでったンゴ！そして幸せになりました(小並感) (2017年11月19日 9時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 生真面目な炊飯器さん» 垢間違えてました(笑)短編集３もできましたのでぜひ見て頂けると嬉しいですー！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - 短編2までお疲れ様でした♪次は3ですか！楽しみだー（*＾＾*)心ぐるぐるっ待ち♪してます（笑）いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2017年11月18日 6時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ひらめさん» ひらめさんコメントありがとうございます！そして今まで気付いてなくてすみませんでした！(笑)シッマは難しいんですがコネシマスター達の為にもっと書けるように精進します！！今後も仲良くしてくださいね！！ (2017年11月15日 19時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
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