→続 ページ2
綺麗に整った金髪に一つ頷いてから、寝室に戻る。
乱れたベットに飛び込んで全身にグルちゃんの匂いに包まれたい気持ちをぐっと堪えてクローゼットを開く。
見ただけで分かるずらりと並んだ滑らかな質のいい生地を使ったスーツ。
今日は会議があると言っていたのでナメられないように威厳のある濃い黒色のスーツに、薄いグレーに少しだけシルバーのラインが入ったネクタイと白色のシャツを手に取る。
うん、かっこいい。
脳内でばっちりとスーツを着こなすグルちゃんを思い浮かべてニヤけてしまう。
きっと今日のグルちゃんの姿に会社中の女子社員の視線が集まるだろう。
しかしそんな事こちらはすでに予測済み、対策だってバッチリだ。
「A、用意できてるか？」
「うん！すぐ行くね！」
キッチンから呼ばれた声に慌てて駆け出す。
扉を開ければすでにスウェットを脱いだグルちゃんが下着姿で待ち構えていた。
あぁ神様、こんな完璧な人間作ってしまうなんて。
まるで彫刻のように美しい存在、まさに神様からの愛情をこれでもかというほど詰め込まれて作られたとしか思えない。
「見すぎなんだよ。」
「いたっ！ご、ごめんつい。」
うっとりと見惚れていると脳天に突き刺さるグルちゃんの手刀。
ヘラリと笑うと一つだけ溜息を零してから私の腕の中の服を攫っていく。
一枚一枚着ていくごとに隠れていくグルちゃんの肌に嘆きながら、見事に着こなしたスーツ姿を見れば膝から崩れ落ちそうなほどの完成された美しさ。
このまま寝室に戻って一日中いちゃいちゃしていたい！！
そんな思いが通じたのか、ぐしゃりと私の頭を撫でると口の端を吊り上げる。
「そういうのは夜な。」
死にそう。
「じゃあ行って来る。」
「うん！あ、お弁当！鞄に入れてるから！今日のは特別頑張ったんだ！」
「そうか、楽しみやな。」
行ってきますのちゅう、と顔を寄せると顔面を手のひらで抑えつけられて阻止されてしまった。
全く照れ屋だなグルちゃんは。
閉まった玄関の扉を見つめながら、幸せの余韻に浸る。
私がこの扉を潜ることは許さないが、それでも幸せ。
この部屋だけが私の世界。
グルちゃんが作ったグルちゃんを中心に生きる私の世界。
早く帰って来ないかな。
そうして私は今日も幸せに笑うのだ。
私が仕掛けた女子社員対策。
ご飯の上に描いたピンクの大きなハートマークを同僚に見られたグルちゃんが怒って帰宅早々、私の顔を目掛けてお弁当箱を投げる事をこの時の私はまだ知らなかった。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - だいぶ前の小説にコメント失礼します。あなた様のエミさんの認識はどうなってるんですか…変態ですか……好きです｡｡｡｡｡｡｡ (2020年12月2日 22時) (
レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - あ、良かったーびっくりしたゾ（笑）というか見てますよ…！もう光の速さで短編集3へ飛んでったンゴ！そして幸せになりました(小並感) (2017年11月19日 9時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 生真面目な炊飯器さん» 垢間違えてました(笑)短編集３もできましたのでぜひ見て頂けると嬉しいですー！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - 短編2までお疲れ様でした♪次は3ですか！楽しみだー（*＾＾*)心ぐるぐるっ待ち♪してます（笑）いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2017年11月18日 6時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ひらめさん» ひらめさんコメントありがとうございます！そして今まで気付いてなくてすみませんでした！(笑)シッマは難しいんですがコネシマスター達の為にもっと書けるように精進します！！今後も仲良くしてくださいね！！ (2017年11月15日 19時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
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