私の帰る場所/snp ページ5
「帰らないで、傍にいて。」
大きな体に私を閉じ込めて、不安そうに呟くしんぺいくん。
お腹に回された長い腕、私を囲う長い脚、ぐりぐりと首に摺り寄せられる大きな頭。
体は立派な男の人なのにいつも間延びした声で甘えてくる彼は大きな子供みたい。
「だめだよ、明日も仕事だもん、帰らなきゃ。」
「もうここに住んじゃえばいいじゃん、結婚しようよ。」
何度目かも分からないプロポーズ。
そういう事はもっとちゃんと考えてから言おうね、とこれも何度目か分からない返事。
「ん〜Aちゃん俺の事好き〜？」
「好きだよ、しんぺいくんの事が大好き。」
「んふふ、俺も〜めっちゃ好き〜。」
私の体を抱えたままユラユラと揺れるしんぺいくんにクスリと笑いが零れる。
まだまだ子供だよ、私もあなたも。
「ね、そろそろ離して。もう帰らなきゃ。」
「だめ〜今日は絶対帰さない。」
ぎゅうときつく抱き締められる。
いつもなら名残惜しそうにしながら離れてキスをして帰してくれるのに、今日はなぜか聞き分けが悪い、一体どうしたのだろう。
首を傾げる私の脇にしんぺいくんの手が添えられて、ふわりと浮く体。
くるりと反転させられれば、そこにはいつになく真剣な表情をした彼がいた。
「ね、やっぱり結婚しようよ。」
「だからそういう事は…―――」
言い終わる前に塞がれる口。
私の口を全部食べてしまいそうなほどの大きな口に言葉が全部飲み込まれる。
「俺はAちゃんが好き、Aちゃんも俺が好き、これ以上考える事なんてある？」
いつもの甘えた子供のような口調じゃなかった。
夜にベットで見せるような大人の、男の人だった。
「Aちゃんが俺の腕から離れていくのがもう耐えられないんだ、帰るって言ってAちゃんの背中を見送りたくない、帰る場所は俺の腕の中がいいんだ。」
また子供のように。
私の胸に顔を押し付けるしんぺいくん。
困ったなぁ、これが母性本能か。
離れたくないという彼を離したくないと思ってしまった私の負け。
ぐいっと彼の肩を押して体を離す。
不安そうな顔をさせてごめんね。
「一緒に私の家に行ってくれる？ちゃんと親にも話さなきゃ。それでまた、ここに二人で帰ろう？」
「うん！」
私の言葉に、満面の笑顔を見せたしんぺいくん。
私の体をぎゅうぎゅうと抱きしめる大きな体。
今度この腕の中で言う言葉は「帰らなきゃ」じゃなくて「ただいま」だね。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - だいぶ前の小説にコメント失礼します。あなた様のエミさんの認識はどうなってるんですか…変態ですか……好きです｡｡｡｡｡｡｡ (2020年12月2日 22時) (
レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - あ、良かったーびっくりしたゾ（笑）というか見てますよ…！もう光の速さで短編集3へ飛んでったンゴ！そして幸せになりました(小並感) (2017年11月19日 9時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 生真面目な炊飯器さん» 垢間違えてました(笑)短編集３もできましたのでぜひ見て頂けると嬉しいですー！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - 短編2までお疲れ様でした♪次は3ですか！楽しみだー（*＾＾*)心ぐるぐるっ待ち♪してます（笑）いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2017年11月18日 6時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ひらめさん» ひらめさんコメントありがとうございます！そして今まで気付いてなくてすみませんでした！(笑)シッマは難しいんですがコネシマスター達の為にもっと書けるように精進します！！今後も仲良くしてくださいね！！ (2017年11月15日 19時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
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