→続 ページ7
コネシマくんの教室から自身の教室へ戻った私は、友人の席にうつ伏せた。
「ねぇあーちゃん…やっぱり私、別れようかな。」
「何言ってんのよ、シッマが聞いたら泣くわよ。」
「泣かないよ、コネシマくんは…。」
私の事なんて好きじゃないもの…。
そう呟いた言葉は友人に聞こえたかは分からないが、溜息を吐いた様子から察するに恐らく届いていたのだろう。
私の頭を片手で撫でながらスマホをいじる友人。
中学の頃にヤンチャしてたとかで女の子たちから怖がられていたけど、話してみると友達思いのすごく優しい子だった。
「シッマ、部室で待ってるって。」
「え?」
「あんたがシッマの事でうじうじしてるよってラインしたら、今すぐ来てってさ。大丈夫、あいつは何とも思ってない子にここまでしない。」
ほら行きな、と背中を叩く友人の言葉に立ち上がる。
やっぱり優しい子だ。
「ありがと、あーちゃん!大好き!」
そう言うと、ひらひらと手を振って送り出してくれる友人に感謝しつつ廊下を走った。
そうしてたどり着いたサッカー部の部室の扉をノックする。
中から「入ってええよー。」とコネシマくんの声を聞いてから扉を開けた。
サッカー部の部室は汗と土の匂いがした。
部室の真ん中に置かれたベンチに座るコネシマくんに、横に座るように促されて少し間を開けて座った。
「なんか悩んどるって聞いたけど…。」
「あ…う、ん。」
飛び出して来たものの頭の中で聞きたいことが整理できていない。
本当は一つ聞けばいいだけ、私の事好き?って。
でもそれを言うのはどうしても躊躇われた、好きじゃないって言われるのが怖くて。
私が話し始めるのを待つコネシマくん。
沈黙にこれ以上耐えられなかった。
どうせ終わらせようと思っていたんだ、いいじゃない最後に本音でぶつかっても、いっそはっきりコネシマくんの口から言ってもらった方がスッキリする。
小さく息を吸い込むと一気に口を開いた。
「コ、コネシマくんが!私の事別に好きじゃないんだと思って!他の女の子からのプレゼントも貰っちゃうし!私に対する態度だって、他の子と同じだし…私、多分みんなからもコネシマくんと付き合ってるって、思われてない…。」
段々と弱くなってしまったが、思っていた事は全て伝えた。
チラリと横のコネシマくんを見ると、あんぐりと大きく口を開けていた。
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ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます!初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…!よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします!あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します!ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね!すごいです!リスペクトです!頑張ってください!(語彙が…無い!) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽`*)これからもよろしくお願いいたします! (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ*さん» ヒメ*さんコメントありがとうございます!最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います!感想下さってありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - こんにちは!いつも読んでいます!『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました!ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました!応援しています!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
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