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コンビニで買ったアイスを食べながら川沿いの土手を歩いて帰る。
シッマは自転車を片手で押して、私はシッマの横に並んで。
日差しが反射してキラキラと光る川は冷たくて気持ち良さそうだった。
どうしても入りたいという気持ちが我慢できずに、足だけでも浸かろうよとシッマに提案すると嬉しそうに笑って了承してくれた。

靴下を脱いで川に足を浸けると、ひんやりとした温度に体から汗が引いていく。

「気持ちいいねぇ。」
「そうやなぁ、どうせなら泳ぎたいわ。」
「分かるー、今度はちゃんと着替え持って泳ぎに来ようよ。」
「あーいいな、まぁその前に補習終わらせろや。」
「嫌な事思い出させないでよ、うわっ」
「おっ、と!危なっ!」

滑った足で体が倒れそうになったところをシッマの手が腕を私の掴んで支えてくれた。
心臓がバクバクと音を立てた。

「うわー危な、ありがとシッマ。」

お礼を言って離れようとしたが、シッマの手は私の腕を掴んだまま離さなかった。

「シッマ?」
「Aさ、進学どうするん?」

突然真面目な顔してどうしたんだろ。
進学の事なんてまだ考えた事もないや、補習してる奴に聞くことじゃないよね。

「何も考えてないよ、それより卒業できるか心配だわ。」
「俺サッカー強いとこ行くんやけど。」
「へぇ推薦?シッマなら推薦でも受験でも余裕だろうね、いいなぁ。」
「お前にも来て欲しいんやけど…。」
「はい?」

腕を掴んだままのシッマの手がぎゅっと握られる。
その力に私の心臓も同じ強さで握られた感じがした。

「勉強教えたるし、同じとこ来てくれん?」
「えぇ…でもなー多分無理だと思うけど…。」
「好きなんや。」

風が私たちの間を通り抜ける。
シッマの口から突然出た言葉に時が止まった。

「彼女になってくれん?そんで同じ大学目指してくれん?」

高2の夏。
求めていた青春がまさに現実となって今ここに現れた。
シッマの緊張が掴まれた腕から感じる。
同じ大学を目指してくれなんて、まるで漫画の中のヒロインになったようだ。
そんな事を思いながら私の腕を掴む手とは反対の、ぶら下がったままのシッマの手を握った。

「明日も教室で待ってる。」

そう言って笑うと、シッマは夏の太陽より輝くとびきりの笑顔を見せた。
青空の下、繋がれた手、私たちの夏が始まる。

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ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます!初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…!よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします!あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します!ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね!すごいです!リスペクトです!頑張ってください!(語彙が…無い!) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽`*)これからもよろしくお願いいたします! (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ*さん» ヒメ*さんコメントありがとうございます!最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います!感想下さってありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - こんにちは!いつも読んでいます!『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました!ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました!応援しています!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひとちん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月6日 4時

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