検索窓
今日:52 hit、昨日:10 hit、合計:715,611 hit

→続 ページ11

突然の告白になんと言っていいのか分からない。
というか信じられない。
口を開けば憎まれ口を叩くくらいの関係でそこまで親しくした記憶もない。

「えぇ…信じられないんだけど…。どこを好きになったの?」
「そんなこと知るか。」
「いや、知るかって…。」
「つまりどことかじゃなくて全部好きって事だろ。」

大丈夫かこの男。
これは本当にあの邪悪が服を着て歩くと言われるグルッペンなのか。
まさか今日貰ったチョコの中に変な物でも入っていたんじゃなかろうか、こいつの信者って過激な奴多いからなぁ…。

「おい、それが告白されてる女の顔か?」
「あぁごめん。なんか変な物食べたんじゃないかと心配してたのよ。」
「失礼すぎだろ。」

確かに告白を受けてしかめっ面で考え込むなんて失礼にも程があった。

「知ってるか?お前の大学と俺の大学近いんやぞ。」
「へぇ知らなかった。というかあんたの進学先すら知らないわ。」
「来年も受け取りに行くから安心しろ。」
「いや、そもそもあげるなんて言ってないけどね。」
「お前があいつの事諦めるっていうなら俺ももう待たない。」
「話聞いてる?諦めるイコールあんたと付き合うわけじゃないんだけど。」
「俺が手に入れると言ってるんだ、絶対俺の物にする、諦めろ。」
「呆れるのを通り越して尊敬すらするわ、その独裁っぷり。」
「なんとでも言え。」

刹那、視界いっぱいに広がるグルッペンの顔と唇に触れる柔らかな感触。

「今年はこれで勘弁してやる。来年はちゃんとチョコと黒のマフラーを用意しとけよ?」

そう言って私の手からするりと水色のマフラーを連れ去ったグルッペン。
ここに来る前に心にあった水色はすっかり黒一色に染められてしまった。
強すぎる黒に抵抗するすべなどない、きっと私は早々に白旗を上げて来年は黒色のマフラーを握りしめているだろうと予感がした。

生意気な君/tn→← →続



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (325 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
865人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます!初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…!よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします!あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します!ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね!すごいです!リスペクトです!頑張ってください!(語彙が…無い!) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽`*)これからもよろしくお願いいたします! (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ*さん» ヒメ*さんコメントありがとうございます!最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います!感想下さってありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - こんにちは!いつも読んでいます!『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました!ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました!応援しています!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひとちん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月6日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。