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#155 ページ5

_悟「Aはちゃんと、愛されてるよ…」

そう口にした悟さんの切なそうな表情を見た時に、どうしてだか胸が酷くざわめいた


けど 私はその時、どうして悟さんが私の知り得ない事を知っているのかも

どうして……切なそうな 貴方の声を聞いて、こんなにも泣きたくなるくらい胸が苦しくなったのかも分からないままだった…


でも、一つ確かな事は……

私の失った記憶の中に、私が大切にしていた何かが隠れてしまって…取り出せずにいるという事

それを私は、私と……この人の為に 取り戻さなくてはと…掬い上げなくてはと…強く感じた事



でも、そんな気持ちとは裏腹に…結局私の記憶は戻る事無く
事態の進展が見られない事から、私は一旦 悟さん達の警護を受けたまま日常生活へと戻る事となった


硝子「何かあればいつでも連絡して」

A「ありがとうございます」

高専の入口で硝子に見送られながら、私は悟さんと傑さんと共に車に乗り込み自宅へと向かった


ガチャ…


A「…流石に久しぶりな感じがするわね」

夕凪「一週間ぶりですから」

家に着き自室に入ると、そこは相変わらずの自分の部屋で
綺麗に手入れはされているけど、何となく暫く人気がなかった事が伺える

A「これ…今の課題曲かしら?」カサッ

部屋のピアノの近くの棚には、見覚えの無い楽譜が置かれていた

夕凪「はい。先月末から練習なさっている物ですね」

傑「こんな音符のぎっしりな曲が弾けるなんて…Aは凄いね」

悟「何だこれ…呪文かよ…」ウゲッ

私の両サイドから覗き込んだ二人が呆気を取られた声を出して口々に言う

夕凪「お嬢様は幼少の頃から多くの難題曲を熟して来られたので、その難易度でしたら一週間程で 殆ど弾けるようになられますよ

今回も、後 数日で完奏なさるまで上達されていましたが…」

悟「記憶が無くなっちまったら、必然的にこういうのも忘れちまってるって事か…」

夕凪「そうですね…こればかりは仕方ありませんが……

ピアノだけでは無く、各講師陣には事情は説明してありますので…暫くの間はレッスンや受講は止めてもらう予定ではありますが

また、お嬢様の記憶が戻られれば 再開する形になるかと」

A「…そう」

確かに、これは私の記憶にある課題曲とは違う…
それはそうよね…私の記憶は三月で止まっていて、その時の課題曲は既に終了しているのだから

私にとって、今手にしている楽譜は初見の物


だけど…


A「…」ゴトッ

傑「…A?」

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:恋愛
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。この章内か、次の章では確実に落ち着きます! (2022年4月30日 10時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 五条悟と夢主ちゃんはいつ結ばれてますか? (2022年4月30日 0時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2022年4月4日 0時

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