＃１５４ ページ4
悟side
A｢その花束、兄からですよね…！｣
俺が手にしていた花束を見て、Aがそう尋ねてきた
A｢兄が、毎年 私の誕生日に贈って下さる花なんです
空のように澄んだ青い花…とても綺麗ですよね
もしかして…私の事を聞いて、お見舞いに贈って下さったのかもしれません｣
Aはそう言いながら嬉しそうに目を細めて微笑んだ
A｢……私、大人になるのが嫌でした。ずっと子供のままでいたかった…
歳を重ねるにつれて、制限される事は多く…自由な時間も減っていって
然るべき時が来たら、何処の誰かも知らされない婚約者と
家の為の結婚を強いられ…父の駒として一生を終えるんだと
だから、大人になる事や歳を重ねる象徴である誕生日は…どうしても素直に喜べなくて…
不思議ですよね…それでも周りからは、その日を迎えると 祝福の言葉を贈られて…
Aの家に生まれた以上、仕方の無い事だと分かっていても…抗いたくて堪らなかった
けれど、ある年の誕生日を境に 兄がこの花を贈って下さるようになったんです
この花を見ていると、何だか私を見守ってくれているようで…
この花のお陰で、私は私の生まれた日を…歳を重ねる日を特別だと思えるようになりました｣
悟｢……この花が兄貴からだって、誰かから聞いたのか？｣
A｢いえ…誰かに教えてもらったり、差出人の名があった訳では無いのですが…
その頃から、友人と呼べる間柄の人も居ませんし
父も母も仕事の事ばかりで、兄以外に 私の誕生日を欠かさず祝ってくださる家族も居ませんから…きっとそうなのだろうと…｣
悟｢…｣
A｢…あ、悟さんにお会いした時…既視感を覚えた理由が分かりました！｣ﾊﾟｯ
悟｢え？｣
A｢この花です！ほら…この花の綺麗な空みたいな青色…悟さんの瞳の色とそっくりですよ
ふふ…私、この花を見る度に これからはきっと…悟さんの事も思い出しますね｣ﾆｺｯ
悟｢…っ｣ﾄﾞｷｯ
幼い子供みたいにはしゃいで見せる姿に、無意識に胸が高鳴る
…これくらいは、話しても良いだろうか…
悟｢…その花は、兄貴からじゃない…Aが産まれてくれた日を毎年欠かさず祝福してる人間からの……Aの、婚約者からの贈り物｣
A｢……え？私の……？悟さん、私の婚約者が何方かご存知なんですか！？｣ﾊﾞｯ
悟｢…今はこれ以上は言えない……けど、忘れるな。Aはちゃんと、愛されてるよ…｣
お前は、俺の事を望んではいなくとも……
A｢……悟さん？｣
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。この章内か、次の章では確実に落ち着きます！ (2022年4月30日 10時) (
レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 五条悟と夢主ちゃんはいつ結ばれてますか？ (2022年4月30日 0時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：P | 作成日時：2022年4月4日 0時
