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悟side
傑「え……今、何て……」
悟「だから…俺なりに気を利かせたっつってんじゃん…」
__遡る事四十分前
…不審な動きは無い
一通り挨拶回りも終わって、Aと傑がバルコニーに移動したのを確認して 会場を出るのも後数分だと思いほっとする
エスコート役から外された理由が気掛かりで、ずっと頭から消えないまま
ここでこうして見守る事しか出来ない自分の無力さに腹が立つ
……記憶が戻らないままのAに避けられる理由なんて、結局思い付かなくて…何度考えたって、同じ場所に行き着く思考…
そう…何度も何度も行き着く…
Aは"俺を避けてる"訳じゃなく、"傑を傍に置きたい"だけなんじゃないか…って……
悟「…っ」グッ
そう思い出したら、それを裏付ける様な事ばかり思い出す
硝子達と話してたAが、俺より傑の方がタイプだって話してた事とか
Aが今まで傑に笑い掛けてた顔だって、俺に向ける笑顔より嬉しそうだったんじゃねぇかとか…そんなんばっかり…っ
悟「…あー…っ……くそっ!」
壁に背中を預けながら、がしがしと頭を掻いて俯く
無意識に眉は歪んで苛立ちを隠せないまま、どこにぶつける事も出来ずやるせない
Aは俺の婚約者…だけど
例え時期が来て本当の事を打ち明けて、形だけ籍を入れられたとしても…それじゃ意味が無い
俺が欲しいのは、Aの旦那って言う肩書きじゃない…A本人の気持ちなんだ……
それなのに…
悟「…餓鬼臭くて嫌になる……」ボソッ
まだ決まった訳じゃないのに、勝手に自分の中で話進めて落ち込んで…阿呆か、俺は……
そう思って、気を取り直してA達の方へ視線を戻した……その瞬間……
悟「………………は?」
目に飛び込んできた情報は、俺の妄想が……ただの妄想じゃないと裏付ける確信的な物で
…馬鹿だな傑、丸見えだよ
傑はもしかしたら気付いてないと思ってるかもしれない
バルコニーのその場所なら、会場の人間からも俺からも死角になると
けど、甘ぇよ……
この目は呪力をサーモグラフィーみたいに映す
だから、壁があろうが柱があろうが関係無い
しっかりと…はっきりと見えてんだ…お前らが……抱き合ってんの
悟「……っは…………笑わせんなよ…っ」
その瞬間、ゆっくりと俺の背後の扉が開いた…
気配で分かる殺気…
何かごちゃごちゃ話し掛けて来てる事は分かったけど、多分 Aの事だろう
悟「間が悪ぃな、お前ら……」
ドシャ…………ッ!
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。この章内か、次の章では確実に落ち着きます! (2022年4月30日 10時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 五条悟と夢主ちゃんはいつ結ばれてますか? (2022年4月30日 0時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2022年4月4日 0時