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「お、おふくろ!?」

「なんじゃ?どうなっとる?」

「言ってなかったが、私もリクオ同様四分の一妖怪の血が流れておってな。
ここらに住まうヤマタノオロチの落胤が私の母だ」



母はやはり父、私から見れば祖父が大妖怪(とんでもなく)であるが故に力が凄まじい
奴良組に属さずとも奴良組では有名だと牛鬼に聞いた



「ま、まさかあの蛇女が奥方の母だったとは…」

「四分の一だけにしちゃあ妖力高くねぇか…」

「母も半妖だがそこらの妖怪を一瞬で消す程の妖力を持っているからな、母譲りなのだ」



驚く二人に私は満足気に笑う



「話を戻すが狒々の身に何が起こるかわからんとはいえ最悪の事態が起きて狒々が死ぬ事態になれば目覚めが悪い」

「奥方、わしは大妖怪狒々様じゃぞ?
負けるなんてことはない」

「お前も随分と年老いた。
全盛期とは違う。万が一ということもある。
あまり己の力を過信するな」

「耳が痛いのう」

「お前が死ぬなど私とて考えたくはない。
だがそういう場合だってありうるのだ」



私は袖からシュルリと真っ白な蛇を出した



「私の治癒の力を込めて生み出した蛇だ。
お前がもしも危機に瀕し、死に至るほどの怪我をした場合この蛇はお前の傷を癒す。
これをやる。常に持っていろ、よいな」



その蛇は私の手から離れ、狒々の手に巻きついた



「……奥方妖怪になって便利になったのう」

「蹴り飛ばされたいのか貴様」

「覇気か??」

「…おふくろなんでも出来るようになってんじゃねーか?」

「なんでも出来るわけなかろうがたわけ」

「そんな全否定しなくとも」



たわけとまで言われるなんて、と鯉伴は口元を引くつかせる



「でも、そうか」



今度は嬉しそうに頬杖をつきながら微笑む鯉伴
一体なんだと言うんだ?



「なんだ鯉伴」

「おふくろの身体に四分の一だけとはいえ妖怪の血が流れてて、今みてぇな強い妖力持ってんならさ」

「ああ」

「リクオもだが、おふくろも俺と一緒で人間の寿命とは違うってわけだろ?
親父はまたおふくろと出逢えて、今度は当分は置いて逝かれることはねぇってことだからよ…
なんか嬉しくて」



………はて
鯉伴は確かに悪戯っ子でいい子でもあった
が、こんなにいい子であったか?



「…そんなこと考えたこともなかったな」



あいつに会いたいが会えない自分の心の弱さにケジメをつけようとするばかりにそればかりに気持ちがいっていた
そんな考え、一度も出てこなかった



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(プロフ) - printemps(プランタン)さん» そうなんです。一応最強設定ではありますので…^^; (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しろくまさん» ご期待に添えたようでよかったです(*^^*) (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - もう知ってるけど、夢主最強説 (2020年5月17日 10時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - 更新ありがとうございます!わぁ(*´▽`*)リクにお応えして下さりありがとうございます!めちゃくちゃ面白かったです笑 鴆様流石ですし、狒々のなんとも言えない子供感がたまらなかったです!楽しみに待ってます!更新頑張ってください! (2020年5月16日 20時) (レス) id: 4a9ec96a98 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 木乃伊さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2020年5月16日 19時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月21日 20時

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