隠せない喜びと怒り ページ32
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時は数日戻る
その日は、ぬらりひょんがAと再会できた日のこと
ぬらりひょんはAの家へ行った後、そのままそこに居座ろうと考えていたのだがそれを読んでいたAに帰れと家を叩き出された
渋々本家への帰路についてのんびりと歩く
その顔には、文句は言いつつも幸せである、この上ない喜びであると言ったような笑みな浮かんでいた
「……………………夢じゃ、ねぇんじゃのう」
少し前まで、己の手に触れていた温もり
己が包んでいた、あの香り
何度、夢に見たか
「……………A」
名を呼ぶだけで、こんなにも幸せになれる
あいつが亡くなってから昨日までは、名を呼ぶと込み上げるのは変わらぬ愛おしさと、なんとも言えぬ虚無感
だが今はもう違う
愛おしさと、幸せ
Aが生きていた頃と変わらないものだった
一人でニヤニヤしながら歩いているぬらりひょんを見て歩行者は変なものを見る目でぬらりひょんを見ていたが、本人はそんなことは全く気づいてはいない
そうして、本家に辿り着く
「帰ったぞ」
「お帰りなさいませ、総大将!」
飛んできたのは相変わらずだが、鴉天狗だった
「おう」
「総大将?どうかなさったんですか?」
「?何がじゃ」
「いえ。ただ、なんというか…
とても嬉しそうなのでどうかなさったのかと」
あまりにも嬉々とした様子で帰ってきたからか、鴉天狗に秒で嬉しいことがあったということがバレた
「ああ!それなんじゃが___」
「親父!」
「あ?鯉伴?…………鯉伴!!!!!!」
「総大将!?」
息子を見て、名を呼ぶやいなや、ぬらりひょんは間を置いたあと怒鳴るように今一度名を呼びズカズカ近寄っては息子の胸ぐらを思い切り掴んだ
鯉伴はそれに特に驚く様子もなく苦笑いしながら大人しく胸ぐらを掴まれる
「おうテメェちょっとツラ貸せや」
「ハハ…お、親父チンピラみてぇだぜ??」
「あ?
どうでもええんじゃそんなこと。話がある」
「分かってるって。まずは落ち着けよ。
親父の部屋行くから直ぐに」
その言葉に納得したのか、ぬらりひょんは息子の胸ぐらを離すとドタバタと不機嫌丸出しで屋敷の中へと入っていった
帰ってきた時の嬉々とした様子から突然息子の胸ぐら掴んで不機嫌丸出しになった総大将に鴉天狗や周りの妖怪たちは唖然とするしかない
「おー…久々に結構キレてっか?あれ」
「り、鯉伴様…一体何をなさったのです…」
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江(プロフ) - printemps(プランタン)さん» そうなんです。一応最強設定ではありますので…^^; (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - しろくまさん» ご期待に添えたようでよかったです(*^^*) (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - もう知ってるけど、夢主最強説 (2020年5月17日 10時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - 更新ありがとうございます!わぁ(*´▽`*)リクにお応えして下さりありがとうございます!めちゃくちゃ面白かったです笑 鴆様流石ですし、狒々のなんとも言えない子供感がたまらなかったです!楽しみに待ってます!更新頑張ってください! (2020年5月16日 20時) (レス) id: 4a9ec96a98 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 木乃伊さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2020年5月16日 19時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2020年3月21日 20時