【ぬらりひょんの孫】糸繰草 弐【初代】

＋＋＋＋＋ ページ4

.


「牛鬼」

「はい」

「私のことを知っている奴らには言っているのだがな、私のことは一切ぬらりひょんに言うでないぞ」

「…決心が着くまでは、ということですか」

「そういうことだ」



きっと鯉伴たちも言いたくてうずうずしているんだろうが、言ってもらっては困る
一番言いそうな鯉伴が黙ってくれているのだから牛鬼なら私の言葉なしにぬらりひょんへ伝えることなど先ずないだろう



「口外無用だ。よいな」

「…かしこまりました」

「ああ、よろしく頼む」



もう少しで、踏ん張りがつきそうなのだ
だからもう少し、もう少しだけ待ってくれ



「また、貴女と総大将が笑い合う日が早く来ることをこの牛鬼、願っております」

「…その前に己の身でも心配したらどうだ」

「こればかりは私ではどうすることも出来ませんので」



確かにそれもそうか



「牛鬼と牛頭丸と言ったな。こちらへ来い」

「A様…？」

「な、なんだ…」

「そなたらのその傷、治してやろう」



私の言葉に牛鬼は初めは断ったが、蹴り飛ばされたいのか？と脅してやれば静かに牛鬼は近寄り、それを見た牛頭丸も近寄ってきた
それに満足気に笑みを浮かべた私は二人の傷を治したのだった



その後少しだけ牛鬼も語り合い、日が完全に落ちた頃私は別荘へと帰ったのだった









(Aちゃんどこにいってたの！？探したよ！！)

(心配かけたようですまんな、リクオくん)

(急にいなくなっちゃったから本当ビックリした…
寝てたボクも悪いんだけどさ…)

(そう落ち込むな)

不安と決心→←＋＋＋＋＋

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す