【刀剣乱舞】危険な恋から始まる元ブラック本丸【鶴丸国永】 (ページ2)

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02.どうぞひと思いにページ2

なぜ男がこんなにも私のことを警戒しているのかというと、ここが元ブラック本丸だからである。

元ブラック本丸とは、簡単にいえば暴行、夜伽などの類の、悪逆非道なことを行っていた審神者がいた本丸のこと。

刀剣男士たちはその被害者で、大抵人間を嫌っていたり恐れていることが多い。……と、この本丸に訪れる前にこんのすけから教わった。

審神者になるのも初めてな私には、それがどういうことだか想像が付かず、特に事前準備もしないままに本丸の門を開いた。

すると、彼がいたのである。彼――白銀の髪に蜜色の瞳を持った美人は、私の姿を捉えた瞬間地面を蹴り上げて、高く飛び上がり私の目の前に降り立った。

正直、鳥……いや、天使の羽が見えた。私はこの方に会うために、元ブラック本丸に放り出されたのかと自分の天命を理解したほどに。

「なので出て行くことはできません」

いまの話を、私は一言一句全て伝えた。

「ふざけてるのか？」

再度同じ問いを返された。

こんのすけはなぜか頭を抱えている。

「例えきみの話が本当だったとして、俺がきみを受け入れる理由にはならない。好きだというならむしろ出ていってくれ」

「お断りしたら？」

「この場であんたを斬る」

「そうですか……――では、どうぞひと思いに」