【刀剣乱舞】危険な恋から始まる元ブラック本丸【鶴丸国永】 (ページ1)

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01.恋に落ちたページ1

恋に落ちた。

「それ以上こちらに近付くな」

男は刀を持っていた。血と錆に汚れた、真っ白な刀。ひと目見てよいものだとわかる、その刃が鼻先に迫り、鉄の匂いが鼻腔を擽った。

「……好き」

再度言い直そう。私は恋に落ちた。

いま、私の胸に手を当てたなら、その心臓が早鐘を打つのがわかるはず。もしかしたら当てなくても、その音が聞こえてくるかもしれない。

こんなに身体が熱くなるのは初めての経験で、指一本動かせずにひとりの男を見続けてしまうことも滅多になくて、なんだこれは……と、考え出した結果。

これはもう、恋というしかない。

「は……？」

「はい？」

人生初めての告白に、目の前の彼もお供のこんのすけもたじろいだ。出会い早々だから仕方ない。

けれど私にその溢れ出す心を抑えることはできず、止まっていた時を動かした。

「初めまして、刀剣男士。私は本日この本丸に配属になった、審神者でございます。失礼ですが、名前をお聞きしても？」

「……ふざけてるのか？」

「？いえ、特にふざけているつもりは……」

首を傾げると、鼻先にあった刃がさらに近付き、首に当てがわれる。一寸でも動いたら首と胴体で真っ二つにされてしまいそうな圧。

男は目を吊り上げ、その蜜色の警戒を強めた。

「俺は、出て行けと言っているんだ」

低く、静かに、拒絶を見せる。