新しき生 ページ5
.
はて、私はこんな所で何をしているのだろう
私はそんな疑問を度々抱く
その理由は…
「Aちゃんあそぼー!!」
「Aちゃんは私たちと遊ぶのー!」
「あたしたちとなの!!」
そう思いだしたのはこの間、幼稚園で同じクラスのリクオくんにたまたまボールを後頭部に当てられ、軽く気絶をした時からである
その時私は何故か俗に言う前世というのを思い出した
私は京都の公家の姫で、ぬらりひょんという妖を愛し、そして愛され、鯉伴という子を産んだ
その一生の記憶と前前世の記憶を思い出したのだ
故に体は子供、中身は大人という某名探偵の様な状況に陥っているのである
「Aちゃん、あっちいこ!」
そう言ってニコニコと私の手を引いたのは、同じクラスで思い出すきっかけを生み出した奴良リクオくん
大変勝手ながら、名前からしてもしや私の前世の血縁者なのではないかと思っている子
リクオくんは栗色の髪にクリクリとした可愛い感じの男の子だ
「リクオくん?」
「ボクと遊ぼ!」
ニコッと笑ったその顔はどこか鯉伴の面影を見る
「うん、遊ぼう」
だからか、私はこの子のことをどうも甘くしがちだ
「何して遊ぶ!?」
「どうしようか」
私は、同じ世界にまた生を受けた
時代はだいぶ変わったようだけれど、また同じ世界に、だ
私が死んでから数百年の時が流れている
前前世と前世の記憶を保持し(思い出してしまった)転生した私ははっきり言って、またか。という気分でもある
前世はこれまでにないほど満足し、若干の未練はあったものの満たされたまま死んだ
なのにまたほとんど一からやり直しか、と思うところは確かにある
まぁ、強いて良かったと言うならばここが昔の奴良組のあった場所である浮世絵町であることくらいか
ぬらりひょんや鯉伴は、息災だろうか
妖怪と半妖だし、たかが数百年程度でなら死んではいないだろう
「ねぇリクオくん」
「?なぁに?Aちゃん!」
「リクオくんのお父さんは、なんて名前だ?」
自分で言ってはなんだが、割と突拍子のない質問だったと思う
けれどリクオくんは特に何を疑問に思うでもなくケロリと答えた
「ボクのおとーさん?
ボクのおとーさんはね、りはんって名前だよ!」
「!」
りはん
つまり、鯉伴だ
あの子は私の死ぬ前に結婚していたというのに今の今まで子が出来なかったのか
きっと周りに随分と急かされたことだろうに
「そうか、となるとお前は私の孫か」
.
542人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:江 | 作成日時:2020年1月11日 19時