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ドブネズミ ページ30

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鯉伴が帰ったあと、私は夕食の準備に取り掛かったのだがその最中に買い忘れの材料を思い出し、面倒だったが街へと繰り出た



「………夜なのにうるさいものだな」



昔のこの時間ならばありえない騒がしさと明るさに目眩がしそうだ
慣れたとはいえ、やはり居心地は悪いまま



「あれ、Aちゃん?」

「?…カナ?…と、転校生」

「花開院ゆらや。好きに呼んでや、転校生やなく」



目的を達成したあと家への最短距離で帰るために所謂夜の街を歩いていたら転校生とカナと遭遇した



「こんな時間に何をしている?危ないぞ」

「それはAちゃんもじゃん!」

「そやで、Aさんびっくりするくらい美人さんやしナンパされるんちゃうか」

「そんなものに聞く耳など持たぬわ」



それから話をしながら歩く
どうやら転校生もカナも家への帰宅途中らしい
奴良組では特に何もなかったそうだ
多分今頃あいつらは無事でよかったと心底安心しているんだろうな
目に浮かぶようだ



「楽しかったか?リクオくんの家は」

「すっごくなんていうのかな…
雰囲気はあったよね、ゆらちゃん」

「うん。歴史あるお家なんやろね。
でもうち、奴良くんに失礼なことしてしもて…」

「別にそう落ち込むことでもなかろう。
リクオくんはちょっとやそっとの事では怒らん。
優しい奴だ」

「そう、みたいやけど…こう、うちの気持ち的に…」



そんなことを話していると…



「わっ、女の子が落ち込んでるよ〜、ひーろった!
オレの店まで持って帰っちゃおーっと」

「え!?」



私たちの後ろから急に出てきた白スーツのホスト
転校生が驚いてそのホストと距離を置く
こいつから妖気を感じるから、人に化けた妖怪か?



「それともどっか行く?いーねそれも!!」



こいつは一人でなに盛りあがっているんだ?



「ボクと一緒に遊ぼうよ〜」

「…………………」



カナの冷めた視線
中々に冷たい

私は溜息をつき2人の手を掴む



「行くぞ。二人とも」

「うん、いこうゆらちゃん」



しかし、私たちの行く手を阻むように私たちを取り囲むホストたち



「下がって…家長さん、Aさん」

「ゆら…ちゃん…?」

「………………………」



ニヤニヤと汚らしい笑みを浮かべるホスト



「つれなくすんなよ仔猫ちゃん♡
アンタら…三代目の知り合いだろ。夜は長いぜ。
骨になるまで…しゃぶらせてくれよォォ♡」



髪をかきあげたその下にはネズミの妖怪の顔があった


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mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月11日 19時

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