角砂糖に愛を込めて【WT】【短編集】 (ページ21)

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「A、ちょっといい？」

次の日の放課後。帰る用意をしているときりやんから声をかけられた。きっとなかむくんのことで話があるんだろう。私だってなかむくんのことを諦めた訳じゃないから、もちろんきりやんの所に行く。

「昨日のやつ、ガチ？」

『いやそれが⋯⋯家に帰ってからゆっくり考えたら、やっぱり諦められないなって思って⋯』

「良かった。まだなかむと遊びたいとか思ってる？」

『まあ⋯遊べるものなら⋯』

「じゃあさ、俺がなかむ誘うから3人で遊ばね？これだったらもし会話続かなくても気まずくならないと思うし」

『え！？天才じゃん！そうしてほしいんだけど⋯』

Aのために一肌脱ぐわ、と言って早速なかむくんに連絡してくれている。やっぱり持つべきは友だ。
直ぐになかむくんから連絡が返ってきたらしく、トントン拍子で行き先や日にち、集合場所が決まっていく。

『もしなんかあったら絶対助けてね！』

「もちろんもちろん」

『うーん信用出来ん⋯⋯』

「いいんだよ別に？今からやっぱやめとくって送っても」

『そ、それだけは⋯⋯！』

「まあまあ安心して。何年親友してると思ってんの」

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日にちが経つのは早くて、なんだかんだ遊ぶ当日になってしまった。前日にクローゼットと睨めっこしながら決めた服と、しっかりセットした髪の毛。雨が降っているからか湿気が強くて整えるのに時間がかかっちゃったけど、用意はバッチリだ。

集合場所に少し早めに着くように家を出ようと思っていたのに、気がついたら家を出る時間が過ぎていた。待たせてしまわないよう早く行かなきゃ。

集合場所ここら辺なはずなんだけどな⋯。なかむくんときりやんは家が近いから一緒に来るって言ってたから2人組の男の人を探す。でもそんな人見当たらない。よくよく見てみるとなかむくんらしき男の人が1人で立っていた。

きりやんはどうしたんだろう⋯？トイレでも行ってるのかな？

『おはよう、なかむくん』

「⋯⋯っ、おはようAさん」

『きりやんは⋯⋯寝坊？』

「それがさ〜アイツ今日は来れないって言ってて」

『⋯え！？本当に！？』

Aさんのところにも連絡来てると思うよ、と言われてスマホを開くときりやんから2件。やっぱり今日行けないから頑張って、という言葉とファイト！と応援しているようなスタンプが。

きりやんめ⋯もしかして私の事裏切ったな⋯。