ワイテる彼ら。Ⅱ【WT】 (ページ45)

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『ね、、なかむくん』

na「話したいこと？聞くよ」

『⋯⋯私、取り返しのつかないことしちゃったかもしれない⋯』

なかむくんがそっと私を抱き締めてくれる。普段だったら嫌だったんだろうけど、何故か今は受け入れられた。

それからゆっくり、しゃけに迷惑をかけてしまったこと、間接的に傷つけてしまったことをなかむくんに話した。途中で授業開始のチャイムが鳴っていたけれど、気にならなくて、そのままなかむくんとこの教室に残ることにする。

na「そっか⋯よしよし。でも大丈夫だから」

『大丈夫、？』

na「シャケが包帯巻いてんのってさ、単なる怪我だからAは悪くないよ」

本当にそうだったのかな⋯？あの写真にはキーホルダーが写っていたから勝手にしゃけだと思い込んでいただけかもしれない。
でも、あの緑色のキーホルダーを持っているのしゃけぐらいだし、、。

『それにね、ワイテルズのみんなのこと無視しちゃった⋯⋯、』

na「あーまじか。それはカバーしといた方がいいか」

『本当にごめん⋯、なかむくんが仲良くしてって言ってくれてたのに⋯』

私なんていない方がいいよね、つい最近思っていた本音が漏れる。なかむくんに聞かれてしまう、と思って慌てて口を塞ぐももう遅い。

なかむくんの方を見ると少し笑ったように口角を上げていた。でもすぐいつも通りの顔に戻って、

na「Aは居るだけでいいの！」

水色の目で真っ直ぐ私を見つめてそう言ってくれる。

聞いたことがあるような台詞だけれども、今はそんなの気にならない。それよりもずっとなかむくんと、、ワイテルズのみんなと居たいという気持ちでいっぱいになった。

ちょっと待ってて、となかむくんは言って、私を離して、スマホを取り出す。
何か文字を打つような動作をしてすぐスマホをしまってもう1回抱き締めてくれる。

しばらく目を瞑ってなかむくんの胸の中で温かさを感じていたら、突然廊下の方からドタドタと走っているような音が聞こえてきた。

na「おー来た来た」