Ｄグレ★ 闇色に染まる私・あいつとの記憶 四

神田の誕生日記念小説♪　６６ ページ8

コムイ 「はっはっはーー！君たち、残念だったね！残念ながら、僕は
もう捕まえられないよ！」

手にしていたマイクに向かってそう叫び、コムイは自分の横をビシッと指す。
団員達の怪訝な目線を浴びているそれは、大食い大会の景品が入っていると
言われた箱だった。

ファインダー１ 「なんだ？あの箱の中身に仕掛けか何かあるのか？」

科学班員１ 「いや・・・景品って言葉自体に疑いを持ってたよ、俺は。」

ひそひそと話しあっている団員を見回し、コムイは満足そうに一つ頷く。
何が入っているかわからないため、ひとまず飛びかかることはなさそうだ。

コムイ 「これ、ホントは優勝者にあげるつもりで造ったつもり
だったんだけど・・・。」

『造った』という言葉に、そこにいた人々は皆一様に恐怖を感じた。

この人が作る発明品の被害に遭ったことのない人は、いないんじゃない
だろうか。
というかそもそも、いくらなんでも景品に、そんなものを用意してくる
なんて・・・よっぽど自分の発明に自信があるのだろう。

いい迷惑だ、と思いつつ、Aはコムイの次の言葉を待った。

コムイ 「気になる？気になるよねー？なんてったって、この僕が
特別に用意したロボットだからね！」

『ロボット』。
全員の顔が青ざめ、一斉にずざっと１歩後ずさった。

徐々に明らかになってくる中身・・・もうこれ以上聞きたくない。

コムイ 「ふっふっふ・・・それではご覧にいれようじゃないか！
僕が造ったお手伝いロボ、『コムリン h.y』！！」

そう言うのと同時に、コムイが巨大な箱を開けた。

・・・何人もの「げっ」とした目線を受けながら。
『それ』は中から姿を現した。

A 「あれって・・・。」

ラビ 「ああ・・・あいつが趣味で作ってるコムリンシリーズの
最新作ってところじゃねぇの・・？」

思わず眉間にしわを寄せて呟くAに、ラビは乾いた笑いをもらしながら
言葉を返した。

最悪だ・・・・。

みんなの気持ちを一言で表すのなら、これが最適だろう。

コムイ 「驚いた！？２日かけて造ったんだよ、これ！ほら見て見て！
ここを押すとおなかの部分が開いて、そこに服を入れると洗濯してくれ
るんだよ！さらに掃除や料理なんかもお手のもの！まさに万能ロボさ！」

子供のように目をキラキラさせてロボットの紹介をするコムイ。
そして、それを冷めた目線で見つめる団員たち。

＿＿まるで、出来の悪い子供と呆れている親のようだった。

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