Ｄグレ★ 闇色に染まる私・あいつとの記憶 四

神田の誕生日記念小説♪　６３ ページ5

A 「コムイさん・・・。」

コムイ 「あ。」

呆れたような怒ったような声音で声をかけると、コムイはしまったという
表情になる。
そして固まること数秒、キラーンと目を光らせたかと思ったら、一気に
走りだした。

A 「あ・・。」

コムイ 「はははは！油断したね、Aちゃん！」

いや、油断も何も・・・。
と脳内で突っ込みを入れるが、追いかけはせずにその場にとどまる。

ちらりと前を見れば、神田とアレンは火花を散らし合っていて、コムイの
行動に気付いていない。

コムイ 「僕は関係ないからね！ケンカなら君たちだけでやってくれ
たまえ！」

いや、アレンの恨みを買ったのはあなたですよ・・。
再度脳内で突っ込みを入れ、ふとあることに気付いて、口元をわずかに
緩めた。

コムイ 「ここから出ればこっちのもん・・・・ぶっ！」

高らかに笑いながら食堂を出ていこうとしたコムイは、何かにぶつかって
進行を妨げられた。
けげんそうな表情で、わずかにずれた眼鏡を押し上げながら顔を上げ・・
その表情が凍りつく。

ファインダー１ 「コムイ室長・・・どこに行く気ですか・・？」

ファインダー２ 「俺たちのことは放っておいて・・・。」

地獄から響くような恨めしげな声でそう言ったのは、罰ゲームで下に
落とされた団員たちだった。
いつの間にか食堂の入り口付近に数十人単位で集まっている。

目に異様な光をたたえている団員たちを前に、コムイの頬がひきつる。
近いうちに脱出してくるであろうとアレンから聞いてはいたものの、この
タイミングでとは思ってもみなかったのだろう。

コムイ 「き、きみたち・・・。」

科学班員１ 「室長・・・パーティーを盛り上げるためにゲームをするのは
いいんですよ・・。ですが・・・この罰ゲームはどういうことですか？」

科学班員２ 「俺らがいつも一生懸命働いてる間に、あんたは地下にあんな
ものを作ってたんですか・・・？」

殺意を感じさせる目をした団員たちが、じりじりとコムイの周りを取り
囲んでいく。

コムイ 「いや、みんな落ち着いて。ほら、え〜っと・・・この罰ゲームを
通して、みんなが協力しあったじゃないか。それだけでも意味のあることだと
思わないかい？」

早口でそう言ってはみるものの、団員たちはにじり寄ってくる。
それに合わせるように。そっと後ずさるコムイ。

＿＿しかし、後ろにはアレンがいることを思い出したのか、ついには立ち
止まって、冷や汗を流し始めた。

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