第77夜 悪夢 ページ19
＿＿＿どこからか入って来た暖かい風が、私の頬をふわりとなでる。
はっと目を覚ましたそこは、見慣れてきた教団内の自分の部屋ではなかった。
畳が敷かれたこの室内に、唯一ある家具・・・子供用の小さなテーブル。
その上に置かれた、紫苑の花が植えてる小鉢。
間違いない、ここは・・・。
考えがまとまる前に私は立ち上がり、襖を開け、廊下を進み始める。
ぎしぎしとなる床の上を駆け足で通っていると、右側に木で出来た引き戸が見えてきた。
まさか・・・まさかまさかまさか・・・！
焦る気持ちを押さえることもせず、私は勢い良くその戸を横に引いた。
まず目に入ったのは3人がけのテーブル、しかしそこに誰も座っていないことがわかり、私は
絶望感でいっぱいになる。
やっぱり・・・いない・・・。
ふと、思わずその場に座り込みそうになった私の肩に誰かの手が置かれる。
びくっと体を震わせながら、恐る恐る振り返った私の目の前には＿＿＿。
・・・お父さん？お母さん・・・？
震える声でそう呟くと、2人は優しいほほ笑みを浮かべる。
じわりと視界がゆがみ、私は2人に思いきり抱きついた。
嗚咽を上げて泣き始める私を優しく受け止め、お父さんは背をさすってくれ、お母さんは
頭をなでてくれる。
２人の温かさを感じながら、怖い夢を見たの、と私は小さくつぶやいた。
２人が・・・いなくなっちゃう夢・・・。
アクマって化け物に、殺されちゃうの・・・。
ぎゅっと２人を抱きしめる腕に力を込めると、お母さんが安心させるように
私の額にキスをし、お父さんはゆっくりと私の髪をすく。
私は・・・さっきまで悪夢を見てたんだよね・・・？
アクマもエクソシストも、ここにはいなくて・・・お父さんもお母さんも、私の側に
いるんだよね・・・？
顔を上げてそう問いかけると、２人は何も言わずに笑みを浮かべる。
私も笑顔を返そうとした時・・・・・。
＿＿＿ぶわっと２人の全身にペンタクルの模様が浮き上がり、叫ぶ間もなく２人の体は
砕け散っていた。
いやっ・・・！！！
叫ぶと同時に室内がいっきに闇になり、私の足を何かが掴んだ。
・・・それは、変わり果てた姿のお父さんとお母さんで＿＿＿２人は体を引きずるようにして
私の身体を這い上ってくる。
真っ黒な顔を私に近づけ・・・恨みのこもった目を向け、歯をむき出しにして口を開いた。
『A・・・・どうして助けてくれなかった・・・？』
『私たちを見捨てたのね・・・。』
ラッキーアイテム
革ベルト
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姫いちご - はじめまして姫いちごです。初コメ失礼します。とてもいい作品でした。私はディーグレイマンの中で一番神田が好きです。続きを楽しみにしています。(*^-^*コメ、長くてすみません｡ありがとうございました!! (2016年4月17日 19時) (
レス) id: c97e5601f8 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 初コメ失礼します。一気読みさせていただきました！！この作品に出会ってさらにdグレが好きになりました！！いつまでも待ってます^o^ (2016年4月12日 17時) (レス) id: 393c27509e (このIDを非表示/違反報告)
めぐ♪(プロフ) - 最初から読ませていただきました！！更新頑張ってください！！楽しみにしています！(^^♪ (2016年3月7日 6時) (レス) id: a48000af0d (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - お久しぶりです(^^)Dグレアニメ再開しますね！無理せず更新頑張って下さい^o^ (2015年12月26日 20時) (レス) id: 3e6b0e0f53 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - 更新お待ちしてます。私も受験生 (2015年12月23日 16時) (レス) id: e4de09b28a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莱羅 | 作成日時：2012年6月21日 20時
