Ｄグレ★ 闇色に染まる私・あいつとの記憶 四

神田の誕生日記念小説♪　７０ ページ12

＿＿お互いだけに向けられたいた怒りは、今や、2人の周りで騒いでいたもの
すべてに向けられていた。

自分たちのケンカ・・・いや、勝負に水を差されたのが気に障ったらしい。

コムイ 「コムリンh.yーー！！」

しんと静まり返った空気の中、２拍程置いて、コムイの悲痛な叫びが食堂に響く。
うーわー・・・と口には出さずに誰もが思っていたが、その中で神田とアレンだけは
ギンとした目をコムイに向けて口を開いた。

神田 「またてめぇか、コムイ・・・。」

アレン 「豪華優勝賞品というのは、嘘だったんですね・・・。」

底冷えのするような2人の声に、コムリンの元へ駆け寄ろうとしていたコムイの
足が急ブレーキをかける。

あーぁ・・・。
そんなもの造ったのが悪いんだから、私は助けませんよー。

内心舌を出しながらそう思い、Aは滝のように汗を流しているコムイを
見つめた。

神田 「覚悟はできてんだろうな？」

コムイ 「っっつ・・・！」

チャキリと六幻を自分の目の前に構え、神田がゆっくりと歩き始めるが、コムイは
声にならない悲鳴を上げるのが精いっぱいのようだ。
怒＋黒さのオーラをまとっているアレンも後に続くようにコムイ向かって
行進し始め、コムイもさすがに観念しかけたとき＿＿＿。

？？ 「ピ・・・ガ・・・ゴ、ゴ主人ハ・・。」

ラビ＆A 「？」

ノイズの混じった機械声が聞こえ、ラビとAは顔をそちらに向ける。
見ると、どうやらそれは、先程神田たちによって吹き飛ばされたコムリンの
頭が激突した壁から聞こえてきたようで・・・。

コムリンh.y 「ゴ、ゴ主人ハ・・・守ルノヨーー！」

A＆ラビ 「！？」

どこが口だかわからないが、その頭部分から確かに発せられた声と共に
ガチャン！という音が違う方向から聞こえた。
慌てて視線を移せば、5メートルほど先にただずんでいたコムリン(頭部除く)
から、いくつもの砲身が飛び出しているのが目に入る。

・・・・・は？

コムイ 「コムリンh.yーー！」

みんなが唖然として口を開けているが、コムイだけはぱぁっと顔を輝かせて
自分の愛機の名前を呼んだ。
その声に反応し、コムイへと一直線に足を進めていた神田とアレンは歩み
を止め、くるりと振り返る。

神田 「ち・・・まだ壊れてなかったのかよ。」

アレン 「ホント、しぶとさだけは一級品ですね・・・。」

＿＿いらっとした口調で2人はそう呟き、標的を再びコムリンへと移した。

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