拾。あたし、守ったり隠れたりは苦手なんですけどっ！！ ページ11
しっかし、この本丸は色々なヤツが集まるな。
畑から本丸へ帰る道中、鶴丸は仲良く手を繋いで歩く小夜とAの背を見ながら考えました。
自身、鶴丸国永に獅子王、江雪左文字に宗三左文字、小夜左文字……そして椿切A。
宝物庫の出張展覧会のような面々に鶴丸は感嘆の息を吐きました。
時刻はまだ申の刻、審神者達の時代でいう16時を過ぎた位ですが木々の生い茂る林では大分薄暗く感じます。
ぴたり、と
小夜とAが歩みを止めました。
「ねぇ…ここ、敵襲なんてあるの？」
「偶に、だよ……」
「？、！あれは……！？」
小夜達の視線の先で戦場で幾度となく見た、敵大太刀が二振、木々の隙間を歩いていました。
「これは、野菜を持ち帰る前に為さねば為らぬ事が出来てしまいましたね……大八車は一旦ここに置いて様子を見に行きましょう。体の小さな小夜とAは敵の目を掻い潜り易い筈、皆へこの事を知らせて下さい。」
「わかった、行こうAちゃん。」
「うん。兄さん達も、ご武運を……。」
「大船に乗ったつもりで任せておけ、敵に驚きの奇襲をしかけてやるさ。」
「心配すんなって、なんたってこの獅子王様がついてるからな！」
「無理せず気をつけていくんだよ？」
まだまだ其々の実力を知らないAは心配そうに眉を顰めましたが、江雪の指示と三者三様の言葉に頷き、小夜と二人、静かに走り始めました。
敵の目を掻い潜り、獣道を走り、出来る限りの速さで走ります。
「！小夜ちゃん、止まって！」
「あと少しで屋敷なのにっ！
Aが声を潜め小夜を制止しました、目の前には十や二十は居るであろう敵がひしめいています。
咄嗟に茂みに身を隠しはしたものの、下手に動けば直ぐに見つかってしまいそうです。
「ね、小夜ちゃん…屋敷まで後少し、なんだよね？」
「あと10町(約1km)も無いよ、だから此処さえ抜ければ……」
ぎり、と悔しそうに小夜は唇を噛みました。それに対してAは悪戯っ子のような顔をして小夜に耳打ちをしました。
「あたし、闘うのも見つけるのも得意だけど、守ったり隠れたりは苦手だから、伝令役よろしくね？」
言い終わるや否やAは茂みを飛び出し一番近くにいた大太刀を一刀の元に斬り伏せると剣を振り上げ高らかに名乗りを上げました。
「耳があるなら聞きなさい！あたしは椿切A、かの撫で斬り椿とはあたしのことよ！さあ、その命散らされたいなら何処からでもかかって来なさいっ！」
拾壱。あたし、実戦刀ですからっ！！→←玖。あたし、平安生まれなんですけどっ！？
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
