運命【風丸一郎太】 (ページ9)

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運命８ページ9

公園について2人でベンチに腰掛けた瞬間___。

もう何度目かの頭痛と耳鳴りであぁ、またか、と悟って目を閉じ深呼吸をして目を開けた。

｢っ....?!｣

声にもならない叫び声をあげる私と風丸くん。

目の前にはいつもよりも大きく、目玉が沢山ついており嫌悪感を抱く化け物だった。

おかしい、と思いながら、太刀を出して息を吸う。

どくんどくん、と何故か早打つ心音を抑えるように胸に手を当て、ちらりと風丸くんを見る。
風丸くんも私を見ており、目が合うと頷きあって風丸くんは1歩後ろへ、私は勢いよく地面を蹴った。

ザシュ、と肉を切るような音とともに、化け物がグオォと声を出す。
やった、と思った瞬間。

ドゴ、と音がしたと同時に腹部に激痛が襲いのたうち回る。

声が出せず、ﾋｭｳ､と情けない音が口から出るだけでなく血の味もした。

｢A!!｣

｢っ来ないで!!!｣

駆け寄ってこようとする風丸くんにやっとの思いで声を出して静止させると、風丸くんは悔しそうに唇を噛んでいた。

太刀を地面に突き刺してそれを支えに立ち上がり化け物を見据えると、突然頭痛が襲ってくる。

｢ぐぉ...おぉぉ...｣

化け物が静かに、けれど優しく呻く。

その瞬間、頭に誰かの記憶が流れ込んできた。