運命２ ページ3
散歩に出ようと久しぶりに外を出る。
暫く歩き、河川敷にやってきて川を覗くように柵に凭れかける。
さらさらと穏やかに流れる川に入ってみたい欲に駆られるが我慢しようと息を吐くと、後ろでジャリ、と地面を踏む音が聞こえ振り返る。
後ろに居たのは青い髪をポニーテールにした赤茶の目をした男の子。
彼はじっと私を見つめ、様子を伺って見えた。
｢ここ、貴方の特等席だった？｣
笑顔を貼り付けながら言うと、怪訝な顔をした後、口を開いた。
｢昨日、何をしていた｣
昨日、昨日は化け物退治の時以外外には出ていない。
ということは、化け物退治を見られた？
...いや、でもあれは私や同じ血族の人しか見えないはず
｢あの黒いものはなんなんだ｣
何も答えず色々考えていた私にもう一度問いかけてくる彼に驚く。
｢アレが、あの化け物が見えるの？｣
笑顔を捨て、いつもの無表情な顔に戻して問うと、彼はゆっくりと頷いた。
｢貴方も化け物退治をお願いされたの？｣
化け物が見えるのなら彼も同士なはずだ、と思い聞いてみると分かっていなさそうな顔をしていたのを見て察する。
同じ血族じゃなくても見れる人はいるのか..。
｢それにしてもどうしたの？わざわざ私を探したの？｣
｢たまたま居たから昨日のこと聞こうと思っただけだ｣
さっきまで怪訝な顔をしていたのに、何故か頬を緩まして柔らかい雰囲気を出している彼に目が奪われる。
そんな彼を見て私は微笑む。
｢私はA、よろしく｣
｢俺は風丸、風丸一郎太｣
手を差し出すと彼も微笑み手を取ってくれた。
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作者名：ひさめ | 作成日時：2018年7月6日 17時
