11話 決意と感謝 ページ11
「彩、気にしなくていいから」
零が気遣うように言う。
「お前が気にしたところで解決しねーって」
雷も少しバカにして言う。
みんなが帰って、私達はリビングの机に座っていた。
「彩、今日の事は忘れて」
「大したことじゃないし、簡単に忘れられるだろ」
「それより、お腹空いたからなんか付くってよ」
「俺、カレーがいい！」
2人は夕食の話で盛り上がっていた。
それどころじゃないくせに・・・。
「あのね、私、留学する」
「だから、しなくていいって」
雷がバカにする。
「2人とも、聞いて！」
立ち上がった私を2人は驚いて見る。
「私、留学するから！2人は私をずっと支えてくれたじゃない。その恩返しとして助けるから！
・・・だから、ちゃんと聞いて・・・？」
ぐっ、言葉に詰まる2人。
「っ分かった・・・」
私はイスに座る。
「いつ、私を留学させるって聞いたの？」
「丁度一週間前」
零が答える。
「頼まれたんだ、涼さんに。彩に留学の事話してくれって」
雷が補足するように言った。
「なんでお父様は雷達に頼んだのかな」
「お前、涼さんが来たら絶対警戒して話聞かないだろ」
「まぁ・・・そうだけど」
ごもっともで、私は言葉を濁す。
しばらく沈黙が続く。
「・・・本当にいいのか？」
「え・・・」
唐突に雷が言った。
「留学、本当にいいのか？」
改めて聞かれると、まだ少し肯定するのに戸惑う。
まだきっと、心のどこかではイヤだって、そう思っている。
でも・・・
「いいの」
しっかりと2人を見据えて、きっぱりと言った。
「・・・ありがとう、彩」
呟くように零が言った。
この留学は私の大きな一歩となるはず。
過去と向き合えるだろうから。
迷わない、そう決めた。
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ゆい - 次の作品楽しみです！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: 04ea1ab5bb (このIDを非表示/違反報告)
柚輝 - とっても面白いです！続きが楽しみです！頑張ってください (2017年12月31日 22時) (レス) id: e7116a6197 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 続きすっごく気になります!! 更新頑張って下さい。 (2017年12月16日 2時) (レス) id: abec708dd4 (このIDを非表示/違反報告)
冬姫(プロフ) - 続き楽しみにしています(o・ω・o) (2017年12月11日 0時) (レス) id: c5b965de2d (このIDを非表示/違反報告)
奏衣 - 頑張ってくださいね〜! (2017年12月8日 18時) (レス) id: 3145e04138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結子 | 作成日時：2017年11月18日 9時
