泡沫の夢【her view】1 ページ1
あぁ
なんでこんなことになったんだろう?
オビトは、どうして
悲しくて辛くて
憎くて悔しいって顔
してたんだろう?
分からない
分からないけど、もう、起きないと
あいつが
私を好きだと言ったあの人が
きっと心配してる……
「きて……おき……起きて!…起きてってば!Aー!!!!」
耳元で叫ばれた声に反応してガバッと身を起こし、咄嗟に叫ぶ
「っ?!だめだよオビトっ!!!!」
「「「は?」」」
「え?」
ぼんやりとした世界がクリアになって、私の目に飛び込んできたのは、見慣れた3人の呆れ返った顔。
ずっとずっと、大好きな
「え……オビト……リン?……カカシ?」
「もー、何そのびっくり顔!大丈夫A?しかも、『だめだよオビト!』なんて必死な寝言言っちゃって。まーたオビトのイタズラを止める夢でも見てたの?」
「え、あ、イタズラじゃなくて……っ?!」
そうだ、イタズラなんてそんな生易しいものじゃない!
覚醒する意識と共に、オビトに近づいてその顔を両手でむんずと掴んだ。
「うおぉぃ?!A?!な、なんだよ?!」
「オビト……目、目が。」
「ああん?んだよ、目がなんだってんだよ。」
「目があるっ?!」
「「「は?」」」
私の突拍子のない言葉に、再び目の前の3人は固まって、そのまま肩を震わせて笑い出した。
「あったりまえだろーがドアホ!俺の大事なうちはの瞳が不在なわけあるかぁ!」
「フフッ!ちょっとA、本当にどーしちゃったの?大丈夫?」
「アホすぎる……寝ぼけすぎ。」
「え?!あ、だって、リンは三尾が、カカシは写輪眼で……あれ?私、縮んだ?」
楽しそうに笑う、オビト、リン、カカシを目の前にして、さっきまで覚えていたはずのことが、考えていた事が、頭からだんだん離れていく。
あぁ、なんだ
オビトとリンが死んじゃったのも
カカシが闇を背負ったのも
全部全部
私の悪い夢だったんだ
だって、私たちはまだ
ほんの、子どもだー
小さな自身の両手に視線を落とせば、ポロポロと自然と涙がこぼれ落ちる
「なんだ……なんだ……ホント、良かった…良かったよぉおおおおお!!!」
良かった、本当に良かったと思って、目の前にいたリンに飛びついて、止まらない涙と鼻水はそのままに思いのままワンワンと泣き出せば、焦りながらもリンは優しくゆっくりと、背中を撫でてくれる。
その手は少し懐かしくて、温かい。
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テン(プロフ) - えごさん» えごさんはじめまして^^とてもうれしいコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ないのですが、頑張って書き上げますので気長にお付き合いくださいm(__)m (12月8日 23時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
えご(プロフ) - 夢主の設定もふたりの関係もとても素敵です!更新楽しみに待っています! (11月15日 9時) (レス) @page2 id: 1e37af87f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2023年7月7日 0時