3218.【4】 ページ18
［雅にぃside］
待合室で雑誌を
読んでいたら、先生と歯科助手さんの「我慢してね」
とか「動かないでね」とか言う声が聞こえてきて。
潤の治療痛いのかな…って心配になった。
そしたらしばらくして先生が診察室から出てきて
色々と説明してくれた後「よければこの後から、
傍にいてあげて下さい」って言ってくれた。
先生の説明で、これからの治療が痛いんだって
分かったから、少しでも傍で励ましてあげたくて。
それに、急患対応の時間帯だからスタッフの数も
足りなくて、治療をスムーズに進めるためには
手伝った方が良いみたいだったから。
潤は頑張ろうとしているけど、口が閉じてきたり
顔を動かそうとしたりしちゃうみたい。
俺が抑制役ってことだね。笑
診察室に入ったら、思ったより潤がグッタリしていて
心なしか目も赤いから、心配になっちゃった…
歯「続きやろうね。今度は削っていくからね」
潤「…は、い」
助「顔、真っ直ぐしておこうね」
潤「…」
無意識に逃げていた顔を歯科助手さんに正面に
戻されて、タオルを掛けられて…潤の体にギューっと
力が入ったのが分かった。
「頑張ろうね、いるからね…」
潤「…ん」
歯「口大きく開けるよ〜…」
潤「…ん、んん…んっ…」
歯「ごめんね、痛いね〜…」
先生が潤の口を指で大きく開かせると、潤が声を
漏らしながら痛がるから…
「頑張れてるね、偉い、えらい…」
潤「ん…んん…」
肩をさすって励ます。
歯「ちょっとキツイけど、奥歯でこれ挟んで
削ってる間頑張ろうね〜…」
潤「…ん、ん…」
おそらく限界まで開かれた口。
先生は奥歯に、開口させておくためのブロックを
挟んだ。
和の治療で見たことがあるやつだ…
歯「削っていくからね〜…、我慢できないくらい
痛くなったら、手あげて合図してね〜…」
助「削ってる間、風とお水出るからね〜…」
潤「…ん、んん…」
キュイーン…って嫌な音。
肩をさすったり、腕をさすったりしながら励ます。
潤「…っ、んっ…んん…」
歯「痛いね…もう少しね…」
潤「…んっ…んん…」
助「お顔動かさないでね〜…」
潤が声を漏らして、足を動かしたり、顔を少し
ずらしたりするから、先生が「我慢できない時は
手あげてね〜…」って声を掛けてくれるけど…
潤「…」
歯「もう少し削るからね〜…」
潤の手は上がらない。
でも痛みに負けて、自然と顔が逃げようと動いて
しまうから…
助「軽くでいいのでお願いします」
俺が抑える。
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月16日 21時
