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［潤side］
痛くて、痛くて…
声も我慢しなきゃって思うのに我慢できない…
「…んっ、んん…っ…」
雅「頑張れてるね、潤。えらいね…」
無意識に逃げてしまう顔を、雅にぃがそっと包む
みたいに抑えてくれながら励ましてくれる。
歯「削るのおしまい。潤くんは我慢強いね」
「んん…」
奥歯に大きなものを噛まされているから、口が
閉じれなくて返事もできず。
でもまだ外してくれないみたい…
歯「麻酔追加して、治療続けていくからねー…」
「…ん」
助「ちょっと頬っぺた引っ張るね〜…」
『神経が興奮しているから麻酔が効きにくいと思う』
治療前に説明してくれた時の先生の言葉を思い出して
恐くなる。
これから、もっともっと痛い治療なのかな…
雅「だいじょーぶ、大丈夫…深呼吸は？」
「…ん」
色々不安すぎてパンクしそうになったところに
雅にぃの優しい声。
その声に合わせて、鼻からゆっくり息を吸ったり
吐いたりしたら少しだけ落ち着いた。
歯「痛いかもしれないけど…頑張ろうね」
助「お水で洗いながら治療していくねー…」
先生の手が口に入ってきて…
「…っ、んぁっ…んっ…」
雅「頑張れ…じゅん…」
奥歯を押される感じがした直後に、鋭い痛み…
「…んっ…んぁっ…んん…、や、…」
歯「痛いね…もう少し、頑張って…」
「…っ、んぁっ、んっ…」
助「お水かけるね〜…」
水をかけられている時は痛みはないんだけど…
歯「もう少し続けるよ〜…」
「…んっ…んんっ…んぁっ…、や、…」
先生の手が入ってきて治療が始まると激痛…
雅「潤、頑張れ、がんばれ…」
「…んぁっ…や、…んんっ…んぁっ…」
雅にぃの優しい声が聞こえてこなかったら、きっと
理性が吹っ飛んで『やめろー』って叫んでいたと
思う。笑
それくらい痛くて…
歯「よし、一回休憩」
「…んっ…」
先生の言葉を聞いた瞬間、反射的に口元に手が伸びて
奥歯に噛まされた物を外そうとしてしまった…
歯「…！おっと…外したい？」
雅「潤？勝手には駄目だよ。ね？」
「ん…んん…」
慌てた雅にぃに手を掴まれたけど「んん…」って
抵抗したら、先生が外してくれて…
歯「痛いし、辛いもんね。よく頑張れてるね」
「…ん…」
歯「あと少しだからね。休憩したら頑張ろう」
「…」
もう頑張りたくない…
ここから逃げたい…
痛みに挫けそうになってしまった心が治療を拒否して
返事ができない。
手をギュッと握りしめて黙って俯いた…
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月16日 21時
